※注意:おお振りの原作沿いの名前変換小説(夢小説)です※
※注意:夢小説とはいえ特に誰かと恋愛する予定は今のところないです※

「おお振りの世界に異世界トリップ 第58章」


 10月中旬、3連休明けの火曜日~木曜日の3日間は前週に実施された2学期中間試験の解答用紙が返却された。ナマエは今回のこの試験、全科目90点以上という好成績を収めることができた。
『ま、まだ高1の内容だし私は前の世界で既に高校卒業してるから一度履修済みだし、このくらいはできないとね!』
ナマエは調子に乗らないように自分を窘めつつも内心は喜びでホクホクしていた。ちなみに赤点が危ぶまれる危険人物の田島と三橋も夏休み中の毎日の勉強会と西広の指導のおかげか赤点は無事に回避することができたようだ。マネジのナマエは田島と三橋が嬉々として解答用紙の点数を見せにくる度に2人の肩をポンポンッと叩いて労ってやった。

 今日は解答用紙の返却と問題の解説だけで授業は終わりだ。なので午前中で学校自体は終了となった。しかし、西浦高校野球部は当然放課後には練習を行う。ナマエはいつも通り教室の一角で田島・三橋・泉・浜田と昼食を食べることにした。
「ハマちゃん、今日は練習付き合ってくれるんだ?バイト入れてないんだね?」
ナマエは浜田にそう訊ねた。
「おう、明日鎌倉遠足だから一応避けておいたんだ」
「そっか。いよいよ明日遠足だね。楽しみ!」
ナマエはそう言って笑った。
「なー、ナマエ。お前、なんか忘れてなーい?」
お弁当を食べ終わった田島がナマエに向かってそう言った。田島にしては珍しくジト目をしている。
「忘れてないよ!」
ナマエは田島が何を言いたいのかわかっていた。ナマエはエナメルバッグをガサゴソと漁ってあるものを取り出した。1つ目はパーティー用クラッカー。2つ目は堅あげポテトブラックペッパー味だ。ナマエは席から立ち上がり、田島から少し離れた位置に立った。そしてパーティー用クラッカーを田島の頭上の方向に向けた。
「大きな音にご注意ください!」
ナマエは一言注意喚起をしてからパーティー用クラッカーの糸を引っ張った。パンッと言う音とともにキラキラのメタルテープが飛び出した。
「悠一郎、16歳のお誕生日おめでとう~!!」
ナマエはそう言って両手で拍手をした。泉・三橋・浜田も一緒に拍手をしてくれた。
「田島って今日誕生日なのか。オメデトー!!」
浜田がそう言った。三橋と泉も「おっ、おめでとっ!!」「おめでとう!」と田島に声を掛けている。田島は嬉しそうにへへッと笑って「おう!サンキューな!」と言った。
「これが誕生日プレゼントです!ご所望の通り堅あげポテトブラックペッパー味を買ってきたよ。」
ナマエはそう言ってポテチを田島に手渡した。三橋の時と同様にポテチの袋には"悠一郎へ Happy Birthday"と書いておいた。
「おー!!サンキュー!」
田島はそう言ってポテチを受け取った後、さっそく袋を開けて食べ始めた。
「お前らにも分けてやるよ。回してって。」
田島はそう言って泉にポテチの袋を渡した。
「サンキュ。んじゃ、1つ貰うわ。」
泉はポテチを1つ取って口に運び、隣の浜田に手渡した。浜田も1つポテチを手に取って口に放り込んだ。
「堅あげポテトってうまいよな」
浜田はそう言いながら隣のナマエにポテチの袋を渡した。ナマエも1つ取って食べた。
「わかる。私もポテチの中じゃ堅あげポテトが一番好きだわ」
ナマエはそう返事をしながら隣の席の三橋にポテチの袋を手渡した。三橋は顔をキラキラと輝かせて嬉しそうな顔でそれを受け取った。ポテチを1口食べた三橋は「うまいっ!」と言って頬を赤く染めている。
「だろ?だから堅あげポテトリクエストしたんだもんねー。」
田島は三橋からポテチの袋を受け取りながら得意気にそう言った。
「え、リクエスト受け付けてくれんの?」
泉がナマエの顔を見ながらそう訊ねた。
「いいよ。ポテチの種類でもいいし、他のお菓子でもいい。でもあんまり高額なのはダメね。不公平になっちゃうから。」
ナマエは泉にそう回答した。
「マジか!ちょっと考えとく!」
泉はパッと明るい顔になった。
「ハマちゃんも考えといてね」
ナマエが浜田に向かってそう言うと浜田は「オレにもくれるの!?」と言って喜んでいた。
「もちろん!」
ナマエはそう言ってニコッと笑った。

 午後の部活が始まるとマネジの篠岡とナマエは普段のマネジ業務をこなしながら空いている時間で4市大会に向けた他校のデータ収集を行うことになった。4市大会のリーグ分けは9月の秋大地区予選の抽選会の際に同時に行われたのでもう対戦相手は判明しているのだ。予選では西浦高校野球部はFブロックに所属する。そして同じFブロックに所属する他2校を対戦することになっている。それに勝ち抜くことができたら決勝リーグへ進出できる。決勝リーグでの1回戦の相手はEブロックの勝者だ。そしてそこに勝ったらGブロックの勝者かARC学園のどちらか勝った方と戦うことになる…のだがそれはARCでまず間違いないだろう。つまり現時点での対戦相手はFブロックの2校は確実なのと、Eブロックに所属する3校のうちの1校、そしてARC学園というところまでは見えている。さすがにその次の対戦相手は候補が12校もあるので予測がつかない。ナマエたちはまずは確実に対戦のあるFブロック所属の他2校について手分けしてデータ収集を行った。この2校はどちらも特に強豪校というわけではない。なのでビデオはない。これまで収集してきた新聞&地元TV局の情報と選手名鑑とインターネット上の情報をもとにデータ収集・分析をするしかない。
「でもこの2校、4市大会の時はちょうど2年生が修学旅行に行っているみたいだよ」
ナマエはスマホでFブロック2校の学校情報を調べていたら学校の公式ウェブサイトに修学旅行のお知らせが掲載されていることに気が付いた。
「お、それは大幅な戦力ダウンだね」
篠岡はナマエのスマホを覗き込みながらそう言った。
「油断は大敵ってわかってはいるけど、予選は勝ち抜けそうだよね。Eブロックはどこが勝ち抜いてくるかな?」
ナマエはそう言った。
「Eブロックも特に強豪校はいないんだよね。ちなみに夏大3回戦で戦った崎玉高校がいるよ。」
篠岡がそう言った。
「見た見た!崎玉なら1度夏に戦ってるから情報もあるし、あの時はコールド勝ちしたし、ちょっと安心できるな。」
ナマエはそう言った。
「崎玉は修学旅行の日程とは被ってないみたい。もしかしたら本当に再戦あるかも?」
「マジか!もしそうなったら佐倉選手のことは今回はどうするんだろうね?また敬遠するかな?」
「どうだろうねえ」
篠岡とナマエはそんな会話をしながら作業を進め、とりあえずFブロック2校分の資料作成は終わらせることができた。篠岡とナマエがお互いに作成した資料を交換してダブルチェックしているとごはんが炊きあがった。なので一旦資料のチェック作業は中断しておにぎり作りをすることにした。今日は篠岡がドリンク作成担当なので篠岡はジャグのドリンク補充とおにぎりの具の回収のために数学準備室へと向かった。その間にナマエは先にお椀を使ってまん丸のおにぎりの作成を開始する。
「あれ~、今ってドリンク補充中?」
ベンチに戻ってきた水谷がジャグの置いてあった場所を見てそう言った。
「あー、そう。今ちょうど補充しに行っちゃった。ミネラルウォーターで良ければクーラーボックスに入ってるけど、一旦それでもいい?」
「うん、全然いいよー」
「私、今手が離せないからクーラーボックス開けて自分で取り出してくれる?」
「オッケー」
水谷はそう言いながらクーラーボックスを開けて2Lのペットボトルを取り出した。そしてコップに水を注ぎ、ゴクゴクと飲み干した。
「そういやさ、明日は鎌倉遠足じゃん?無事、泉たちと組めたの?」
「組めたよ!!」
「よかったじゃん」
水谷はそう言ってニカーッと笑った。
「オレが何だって?」
泉がそう言いながら登場した。自分の名前が聞こえたので気になったらしい。
「鎌倉遠足、孝介たちと組めたんだよって話をしてた」
「ああ、それか。いよいよ明日だな。」
「楽しみだね!」
ナマエは泉と顔を見合わせてニーッと笑い合った。
「そういやさ、明日まず東京駅集合だろ?その後、オレらはまず鎌倉高校前駅に行くじゃん?ルート2種類あるみてーなんだけど、どっちにする?」
「ああ、東海道線で藤沢駅に行くか、それとも横須賀線で鎌倉駅に行くかのどっちかだよね?早く着くのは東海道線ルートなんだけど、鎌倉駅のすぐ近くに鎌倉市観光総合案内所があるんだよね。そこで色々資料貰ってから観光開始したいなっていうのが私の希望。孝介はどう思う?」
ナマエがそうしたいんならそっちでいいだろ。東海道線ルートの方が早いっつっても15分くらいしか差ないしな。」
「ホント?他のみんなもそれでいいかな?」
「少なくとも悠とレンは文句言わねえと思うぞ」
ナマエと泉がそんな会話をしていると水谷が「いいなー!」と言い出した。
「え?何が?」
ナマエは水谷にそう訊ねた。
「名前呼びめっちゃ親しそう!なんかオレだけ疎外感…。なー、オレも名前呼びしていい?」
「お前にはすでにコメっていうあだ名があるだろ?」
泉は澄まし顔でそう言った。水谷は「それはやめてよ~」と言って嘆いていた。
「あー、はいはい。じゃ、文貴ね、文貴。」
ナマエがそう言うと水谷は嬉しそうな顔をして「じゃー、オレもナマエね!」と言って笑った。
「ちなみに千代ちゃんのことはこれからも"しのーか"って呼ぶの?」
ナマエは水谷に訊ねた。
「え、うん、しのーかはもう"しのーか"が愛称だし、男どもの中でしのーかのこと下の名前で呼んでるやついないし」
「へー、そっか」
そんな会話をしているとジャグと保冷バッグを持った篠岡が数学準備室から帰ってきた。
「千代ちゃん、おかえり」
「しのーか、重そうだね。持つよ。」
水谷がそう言って篠岡に駆け寄った。
「大丈夫、ありがとう。もしかしてドリンク待ってた?」
「うん、でもミネラルウォーターがあったからへーきだよ」
水谷はそう言ってヘラッと笑った。ナマエはそんな水谷のことを眺めながら『こいつ、クソレフトの印象が強いけど、やっぱ結構いい男だよな』とぼんやり考えていた。
「どーしたよ?」
泉がナマエにそう話しかけてきた。いけない、ぼんやり考え事をしていたせいでおにぎり作りの手が止まっていた。
「いや、何でもないよ」
ナマエは再びおにぎり作りを再開した。
「今コメのこと見ながらなんか考え事してただろ?」
泉はそう言って食い下がった。
「別に…千代ちゃんに優しい文貴を見て、案外いい男だよなって思っただけ」
「はあ!?コメが?」
「え、そう思わん?顔は整ってるし、性格も温厚だし、愛想もいいし、さ?」
ナマエがそう言うと泉はなんだか悔しそうな顔をした。
「何だ、その顔は」
「別にぃ」
泉はそう言うと篠岡が設置したばかりのジャグからコップにドリンクを注ぎ始めた。そしてそれをゴクゴクッと飲み干したら練習に戻っていった。
『何、今の顔…!やっぱりさ、孝介って"そう"なんじゃないの?うーん、私の自意識過剰かな~。』
そんなことを考えていたナマエはよっぽど渋い顔をしていたらしく、篠岡が「何か悩み事?」と訊いてきた。
「いやいや、悩みじゃないから安心して」
「そう?あんまり周りには言えないこと?」
篠岡はそう言いながらナマエが作ったまん丸のおにぎりに具を詰め始めた。
「うん…、勘違いだったら恥ずかしいからね」
「勘違い…?恥ずかしい…?」
「ま、気にしないで!おにぎり作り終わらせちゃおう!」
「うんっ」
そうして篠岡とナマエはせっせとおにぎり作りを進めた。おにぎり作りが終わった後はいつも通りだ。夕方のおにぎり休憩の時間なったらおにぎり・牛乳・プロテインを選手たちに配り、配り終わったらおにぎり作りで使った食器類を洗う。それが終わったら中断していた資料のチェック作業に戻った。
「おし、チェック終わり!問題なし!」
ナマエはそう言って篠岡に資料を返した。
「私もあとちょっとで終わりそうだよ。今のところ問題ないよ。もうちょっと待ってね。」
篠岡はそう言った。
「じゃ、私はEブロックのデータ収集を先にやってるね。まずは崎玉からやる!」
「うん、お願い。ありがとう。」
そうしてナマエたちは19時までできる限りのデータ収集作業を行い、その後はベンチ横の倉庫で着替えをして帰宅した。

明日はいよいよ鎌倉遠足だ!

<END>