※注意:おお振りの原作沿いの名前変換小説(夢小説)です※
※注意:夢小説とはいえ特に誰かと恋愛する予定は今のところないです※

「おお振りの世界に異世界トリップ 第63章」


 デニーズから裏グラに帰ってきた西浦高校野球部員たちはまずモモカンに崎玉から郵便局のアルバイトの提案があったことと崎玉と共同での審判講習会の開催について報告した。モモカンは審判講習会は快く承諾してくれたが、アルバイトについては渋ってみせた。"親の金銭的負担を気にする気持ちはわかるが、その時間を練習や勉強にあてた方が親も喜ぶのでは?"というのがモモカンの意見だった。ぐうの音もでない。
「私1人で決めるのもなんだから、父母会を開いて親御さんの意見を訊いてみましょう。あなたたちもどうしてバイトしたいのか、本当に必要かもう1度話し合ってみて!」
モモカンはそう言って午後練を開始した。

 その日は公式戦の後なので普段より早く18時半で練習は終わりになった。選手たちもマネジ2人も締めのあいさつのためにモモカンの周りに集まった。
「今日のことはしっかり反省して血肉にしましょう。家帰ったらゆっくりお風呂に入ってストレッチすること。以上!花井君は何かある?」
モモカンがそう言うと花井は「あ、アルバイトなんですが…」と話し始めた。
「バイト代、裏グラにライトを建てたいです」
花井がそう言うとみんな「!」と声にならない反応を示した。
「それはすごくいい!」
田島がそう言った。花井は「あ、ホント?話し合いもしてねーのにごめん。」と謝った。
「いや、いい考え!あったら絶対いい!」
「うんっ、ライトほしい!」
「マジでほしい!」
選手たちは口々に花井の意見に賛成した。
「たしかに欲しいね!」
なんとモモカンまで賛同してくれた。そしてモモカンは志賀先生に「そういうことやれますかね?」と訊ねた。志賀先生は「問題ないと思うよ。何か言われるとしても電気代くらいかな。」と回答した。
「明日父母会開いてもらえたから、その意見持っていくね!」
モモカンがそう言うと部員たちは「はい!よろしくお願いします!」と元気よく返事をした。

 練習終わり、選手たちはいつものごとくコンビニに寄ってから帰るというので篠岡とナマエの2人もそれに付き合うことにした。
「なー、明日の午前中って休みだろ?予定空いてるヤツ、一緒にARCvs崎玉の試合観に行かねえ?」
田島がコンビニのホットスナックを食べながら他の部員たちに訊ねた。
「行く!行く行く行く!ARCの情報収集したい!」
ナマエは勢いよく手を上げた。他の部員たちも「いいな、それ!」「そうだな、観に行こうぜ!」と乗り気だ。結局明日の午前中は全員で試合観戦に行くことになった。

 翌日、球場のスタンドに着席した西浦高校野球部員たちはまずは電子掲示板を眺めた。
「沢村さんの情報だと高林ってのが次のエースってこと?」
花井がそう言った。
「高林さん、夏は2回戦と4回戦でそれぞれ3回ずつ投げてシングルこれも2つずつ。失点ナシです。」
篠岡はナマエと2人で作り上げたARC攻略資料を見ながら選手たちに情報提供をした。
「え、でも高林選手の背番号10番だよ。エースじゃないんじゃない?」
ナマエは双眼鏡を覗き込みながら篠岡にそう言った。
「えっ、ホントだ。1番誰だろ?」
篠岡もオペラグラスを覗き込みながら1番を探している。
「1番いた!あの顔ビデオで観たことあるな…えーっと、名前何だっけ?」
ナマエがそう言うと篠岡は「うーんと、とり…とり…鳥海選手!」と言った。
「そうだ、鳥海選手だ!千代ちゃんさすが!」
ナマエはそう言って笑った。栄口は「ナマエも篠岡も優秀すぎるよ…」と言いながら感心していた。

 ARCvs崎玉の試合は0-1でARCの勝利となった。でもあのARC相手に崎玉はかなりいい戦いをした。
「ARCは2軍とはいえ、崎玉もなかなかやるなぁ!これはマジで崎玉が西浦の良きライバルになるかも!?」
ナマエがそう言うと篠岡は「いい関係性がスタートしたよね!」と笑った。
「でも私は昨日負けたのまだ引きずってる。むちゃくちゃ悔しい、マジで。ARCと戦ってみたかった。」
ナマエはそう言ってムクッと顔をむくれさせた。
「まあまあ、崎玉さんの前ではその顔隠してね~っ」
篠岡はそう言って苦笑した。試合後、ベンチの出入り口の広場で崎玉の選手たちは着替えをしていた。花井と栄口は崎玉主将の沢村と会話をしている。田島は石浪に話しかけている。そして三橋は一方的に佐倉に絡まれていた。負けた悔しさが収まらないナマエはその様子を一歩離れた場所から見守った。

 崎玉との会話を終えた後は自転車で裏グラに帰る。今日も午後からは練習があるからだ。ナマエが駐輪場から自分の自転車を取り出していると阿部が三橋に「なんか言ってやりたくなったりしねーの?」と話しかけている声が聞こえてきた。
「う!?」
三橋は驚いて白目をむいている。
「佐倉にさ、ナイバッチでもナイピッチでも言ってやりゃいーのに」
「そ、そ、そうか~~~」
「何だそれ。思い付かねえようなセリフじゃねーぞ」
「う、うん、ごめん」
「ごめんじゃねーよ。会話を切んじゃねー。」
阿部がそう言うと三橋は青ざめてググッと言葉を詰まらせた。
「じゃー、ごめんでいーよ。ググっとなんなよググっと。めんどくせーなーもー。」
阿部にそう言われた三橋はふーっとため息をついて項垂れた。
「何?」
阿部がそう訊ねると三橋はブンブンと首を横に振った。見かねたナマエは2人の会話に割って入ることにした。
「ナイピッチとかナイバッチとか、そんなこと言えないよ。私はわかる。だって昨日負けたの超悔しいもん。私ですらこんな悔しいんだよ?フォーム改造中でコントロールがまだ元に戻ってなくて実力を出しきれずに負けたレンなんてもっと悔しいに決まってるじゃん!」
ナマエがそう言うと阿部は面食らったような顔をした。そしてしばしの間考え込んで「まー、それもそうか」と言った。三橋は「ナマエちゃん、ありがと…」とナマエにお礼を言った。
「どういたしまして。さ、レンも自転車取り出して。裏グラに行こう。」
「うんっ」
三橋とナマエは一緒に自転車を漕ぎ始めた。

 裏グラに付いたらまずはベンチで昼食を食べた。その後、選手たちは一旦プール下の部室で練習着に着替えをする。その間にマネジの2人は水撒きとジャグへのドリンク作成を終わらせておいた。
「さて、4市大会も終わったことですし、勧誘ポスター作りでもやりますかね」
ナマエがそう言うと篠岡は「そうだったね!」と言った。
「写真撮影するんだよね?」
篠岡はそう言いながらナマエの顔を覗き込んだ。
「そうだね。まずピッチャーの写真は絶対欲しいよね。」
「キャッチャーとバッターの写真もあった方がいいかな。」
篠岡はそう言った。
「うん、そうだね。あとは…フライキャッチしてる野手の写真とか?」
「良さそう!撮影はスマホでいいかな?」
「いいと思う。まずはモモカンに練習中に写真撮影してもいいか確認しよう!」
「うんっ」
篠岡とナマエは午後練のために車で裏グラに到着したモモカンを見つけると早速駆け寄って事情を説明した。モモカンは目をキラキラと輝かせながら「いいアイディアだね!ありがとう!」とナマエたちにお礼を言った。
「撮影中は一応メットを被っておいてね。万が一、硬球が頭に当たったりしたら大変だから。あとは選手たちにもポスターのための写真撮影を行うことは説明しておいてくれる?」
「わかりました!」
篠岡とナマエはモモカンにお辞儀をしてからベンチに戻った。選手たちが部室での着替えを終えて裏グラに帰ってきたところで篠岡とナマエは花井を捕まえた。
「おう、どうした?」
「あのさ、今日の練習中に選手たちの写真を撮影させてほしいの」
「写真?なんで?」
「部員勧誘のためのポスターを作ろうと思ってて、でも私たち絵は得意じゃないから写真撮って加工しようと思ったんだ。ちゃんとみんなの顔わからないように陰にしたりぼかし入れるから…ダメかな?」
「ああ、部員勧誘か。そうだな。部員もっとほしいよな、選手もマネジも。」
「そう思うでしょ!」
「顔わかんねえようにしてくれんならみんな文句ねーんじゃねえかな。一応確認しとくか。」
そういうと花井は「おーい、おまえらちょっと集まれー」とベンチにいる選手たちを招集した。
「今日の練習中、ミョウジと篠岡はお前らの写真を撮りたいそうだ。理由は部員勧誘のためのポスター作りの素材にするためだ。ポスターにする際には顔がわからないように加工してくれるらしい。それでも写真撮影されたくねーってヤツいるか?いたら遠慮なく言ってくれ。」
花井がそう言うと沖がおずおずと手をあげた。
「わかった。沖はなしだな。」
「ご、ごめん…」
沖はそう言って謝った。
「いやいや、謝らなくていいよ!肖像権はみんなにあるからね!」
ナマエはそう言った。
「他にはいねーか?」
花井がそう訊ねる。誰も手をあげない。
「よし、じゃあ写真撮影は沖以外ってことで頼む」
「アイアイサー!」
そうしてその日は篠岡とナマエの2人は練習中の選手たちをスマホで撮影しながらグラウンド中を歩き回った。

「写真、結構撮れたよ」
篠岡がそう言いながらナマエのもとへ駆け寄ってきた。
「ありがと!LINEで送ってくれる?」
「うん、送るよー」
そう言いながら篠岡はスマホを操作した。
「届いた!んじゃ、これをノートパソコンに取り込もう。」
ナマエはベンチでノートパソコンを開いた。そしてケーブルでスマホとノートパソコンを繋ぎ、撮影した画像をノートパソコン内に取り込んだ。
「どの写真がいいと思う?」
ナマエは篠岡に訊ねた。篠岡は「ちょっと見せてね」と言いながらナマエのノートパソコンを覗き込んだ。
「この三橋君、良く撮れてるね。あとはやっぱ田島君のスイング姿はきれいだなー。あ、このミット構えてる阿部君、顔が陰になってるからこれなら加工しなくてもよさそう。あとはこのダイビングキャッチしてる栄口君カッコイイね。」
篠岡はそう言いながらいくつかの写真をピックアップしてくれた。
「ありがとう!じゃあ私はこれらの画像をちょっと加工・編集してみるから千代ちゃんは構図とか謳い文句を考えてもらってもいい?」
「オッケー!」
そうして篠岡とナマエが色々話し合っているとカシャッと言う音が聞こえた。顔を上げると泉がスマホをこちらに向けていた。
「お、結構いいんじゃね?」
泉はそう言いながらスマホをナマエに差し出した。泉のスマホ画面にはナマエがノートパソコンを膝に載せながら篠岡に何かを話しかけている姿が写っていた。その隣の篠岡はノートとペンを持ちながらナマエのノートパソコンを覗き込んでいる。
「仲が良いのも伝わってくるし、マネジの仕事してますって感じも出てるだろ?」
泉はそう言ってニッと笑った。
「うん、よさげ!その写真使うわ。送って~!」
そう言うと泉は「ほーい」と言いながらナマエに画像を送ってきた。
「ありがと」

 そうして篠岡とナマエは協力しながら1週間に渡ってポスター作り作業を進め、最終的に全6種類の勧誘ポスター作りを完成させた。篠岡とナマエはまず花井にポスターを見せに行った。
「どう思う?修正してほしいところあったら遠慮なく言ってね。」
ナマエはそう言ったが、花井はホア~ッと感心した様子で「いや、すげーよくできてるよ!」と褒めてくれた。水谷と阿部も花井の横からポスターを覗いている。水谷は「超いい感じじゃん」と言ってニコニコの笑顔を見せてくれた。阿部も「おー、いんじゃね?」と言っている。
「一応、他の選手たちにも見せて問題ないか確認とっておくね。花井はお手すきの時でいいから生徒会にポスター掲示の許可を貰ってきてくれるかな?」
「おっ、わかった」
「じゃ、私は9組の3人に見せてくるよ。」
ナマエがそう言うと篠岡は「じゃあ私は1組と3組に行ってくるね」と返事をした。結果的に他の選手たちもみなポスターの出来に納得してくれたし、志賀先生とモモカンからの許可も降りた。それに花井はその日のうちに生徒会への申請を済ませてくれたらしく、数日後には生徒会から正式にポスター掲示の許可が降りた。花井と篠岡とナマエは月曜日のミーティング後に印刷したポスターを持って生徒会室を訪問し、ポスターに生徒会の認定の証となる印影を押してもらった。そして3人で手分けして各掲示板にポスターを貼って回った。貼り終わったら昇降口で待ち合わせすることになっている。ナマエが昇降口に到着すると花井と篠岡が既に待っていた。
「あー、ごめん。お待たせ!」
ナマエがそう言うと篠岡は笑顔で「全然大丈夫」と言った。
「んじゃ、帰るか」
花井はそう言って歩き出した。
「新入部員、来てくれるといいね」
ナマエがそう言うと篠岡は「やれることはやったし、あとは天命を待つのみだよ」と言って微笑んだ。

<END>