おおきく振りかぶって 原作漫画感想 7巻 <第14回>
<第14回 / あらすじと感想>
他校では桐青相手に西浦が同点というアナウンスが流れてARCの吉田が「西浦って何者だ?」と意識してる。武蔵野第一の秋丸は桐青と西浦が同点と聞いて榛名に声をかけるが、榛名はARCが25−0で5回でコールド勝ちしたということの方にばかり気を取られている。秋丸が"タカヤ"がいる西浦が桐青相手に6回時点で同点だ!と改めて伝えると榛名は『トイレで会ったあのちっちぇーヤツが桐青を2点に抑えてるって?』と意外に思う。
【7回裏、桐青高校の攻撃】
三橋は野球場のボードを眺めながら『同点。勝ってないけど、負けてない!』と自分を奮起させている。そして阿部の「頼んだぞ!」という言葉を思い出して再度びびびびっっと身体を振るわせる。
三橋KA・WA・I・I☆
7番ピッチャー高瀬
1球目、外・低目にまっすぐ。見送り。1ストライク。
2球目、内・低目にまっすぐ。空振り。2ストライク。
高瀬は『案外伸びる――のかな?』と三橋のまっすぐに少し戸惑うが『当てようとすりゃあたる』と考える。カーブ狙いでいくが次の球カーブ以外ならカットすると心に決める。
3球目、ストレート。カットしにいったつもりが空振り。三振。
ベンチに戻る高瀬、次のバッターである山ノ井にスイング泳いだことを笑われる。
8番センター山ノ井
阿部は高瀬がカーブでないのに派手に空振ったことで桐青がカーブ狙いやめたのではないかと疑う。試すため1球カーブを使うことに。
1球目、カーブを大きめに外す。山ノ井は外れてるのに気づいていてもスイング止められない。バットに当たって高く打ちあがる球。ファールかフェアか怪しいライン。栄口はスライディングでキャッチしようとするが捕れず、しかも運悪く判定はフェア。花井がカバーに入るが間に合わず、山ノ井は一塁へ出塁。一死一塁。
9番ライト前川
阿部『カーブ狙いか確かめるための球でランナー出しちゃったな』
しかし一塁ランナーがいるおかげで前打席に三橋のまっすぐをヒットした前川はバントの構え。
1球目、すんなりとバントさせる。ピッチャー前に転がる。三橋がチャージし一塁へ送球。アウト。二死二塁。
ついに肩で息をし始める三橋。それに気付いた阿部は『なんとか最後まで持ってくれ!』と祈る。
がんばれ三橋!
1番サード真柴
阿部はカーブ以外の球は待たれるのでカーブをクサいところに決めてカウントを稼ぐと決める。
1球目、真ん中から低く外れるカーブ。狙い球なので打ちに行く真柴。しかし打ち損じる。ボール球を打っているのでファールになると期待し捕球を待つ沖。しかし、運悪くフェア。二死一・三塁。
西浦にミスはないのにアンラッキーが続いて嫌な流れになりそうで悔しがるモモカン。西広がベンチから「声出せー!」と声援を送る。三橋が「ツーアウト!ツーアウト!」と叫ぶ。どきっとする巣山とびくっとする栄口。
巣山と栄口がかわいいw
観客席にいる女子はそれを見てウケてる。
三橋は今後かなりモテそうな気がする。高校生くらいの女子って三橋みたいなちょっと変だけど根はいい子のことは"おもしろい"とか"かわいい"って評価してくれるし、もし西浦が勝ち進めばやっぱ投手は一番注目されるし。
また雨が強くなる。
2番レフト松永
ネクストバッターサークルに行こうとする島崎を呼び止める河合。三橋のストレートについて話す。「あのストレートは浮く」という河合の言葉に「ぷぷっ」と笑う島崎だが最終的に「見てみるから!」と河合に伝える。
1球目、見送りストライク。
2球目、カーブを投げようとするが三橋は雨で足を滑らせてしまう。暴投となった球を後逸する阿部。桐青のサードランナーがホームに帰って3点目。逆転されてしまう。二死二塁。
あの三橋がワイルドピッチをして呆然とするモモカンと西浦ーぜ。三橋と阿部も呆けている。栄口は巣山がセカンドについてることを確認して三橋に駆け寄る。
すぐに三橋のフォローに入ってくれる栄口君、さすがだ〜。
栄口「三橋!立てっか?大丈夫?」
三橋は自分のワイルドピッチのせいで逆転の点が入ってしまったことが後ろめたいのか栄口の方を見ないで頷く。三橋に怪我がなさそうなのを確認する栄口。我に返った阿部がタイムを取ってマウンドに駆け寄ってくる。怯える三橋、オタオタと足踏みする。栄口はそんな三橋に『おおお』と戸惑ってる。
三橋『うう、う〜〜〜』
叶曰く、三橋は中学最後の一年間で全く失投がなかったらしいですから、自分がワイルドピッチするなんて状況は三橋にとってはありえないことで、動揺してるんでしょうね。しかもそのせいで逆転されたわけで、後ろめたい気持ちがあるのでしょう。『阿部君に叱られる』とか『みんなに失望されたかも』とかそういう不安も感じていそう。
阿部「……なんつー顔してんの」
三橋はさっと帽子で顔を隠す。
阿部「誰が見ても雨のせいだろ。お前を責めるかよ。手ェかせ」
条件反射で阿部の左手に右手を合わせる三橋。
条件反射wお前は犬かw
三橋の手はとても冷たい上にブルブル震えている。三橋は『みっともない、まだ投げたいのに……っ』と青ざめている。阿部は2番は敬遠すると言う。その意図は足場の確認をするためと震える手を治す時間を稼ぐためなのだが、ワイルドピッチで自信喪失した三橋は『オレがダメピだから……でも敬遠してもそれは解決しない』と阿部の話は上の空。三橋がろくに話を聞いてないと感じた阿部は「聞いてんのか!」と三橋の胸をバンッと叩く。そんな阿部を窘める栄口。
栄口君、いてくれてありがとう。
阿部「お前しかいねえんだからしっかりしてくれ!」
その言葉を聞いた三橋は、顔をゴシゴシと拭いた後、グッと拳を握って見せる。
あんだけオタオタしてたのに「おまえしかいない」と言わせて気を取り直してみせる三橋のガッツが私はスキだよ。
3球目〜5球目を敬遠でボール球を投げる三橋。二死一・二塁。
ルリは敬遠のフォアボールだと気付いていないので三橋が動揺して焦ったのかと考える。そこにルリのケータイが鳴る。
阿部は三橋に向かって右手をグッパーッするジェスチャーで手が治ったかどうか訊ねる。三橋は3球の間に落ち着いて手も治ったし、足場も試せたおかげで次からは安心して投げられる。
この右手をグッパーッするジェスチャーで会話する2人がかわいらしくてスキです。通じ合えてるね!
3番セカンド島崎
島崎は待球することにしたらしい。(たぶんまっすぐが見たいから?)
1球目シュート(ストライクゾーン)。カットでファールにする島崎。1ストライク。
2球目シュート(ボール球)。再びカットでファールにする島崎。2ストライク
三橋はこの試合、投球数もそんなに多くないし疲れたそぶりもしていないのになぜ待球するのか島崎の意図を計りかねるモモカンと阿部。カーブを待ってる可能性もあるが、前打席島崎はボール球のカーブを無理やり手だけで持って行ったので阿部としてはカーブはもう投げたくない。
3球目、速いまっすぐ。見送り。ボール。
初めて三橋のまっすぐをみた島崎は戸惑う。
4球目、まっすぐ。バットを振るがチップする。(阿部が捕球できなかったのでファール扱い。2ストライク以降のファールはカウントしないのでボールカウントは2−1のまま)
5球目、まっすぐ。空振り。三振。三死で攻守交代。
田島「よく抑えたな」
三橋の肩をたたく田島。
三橋「オ、オ、レ、逆転、の」
青ざめて俯く三橋。
自分のせいで逆転されたと言いたいっぽい。
田島「また逆転すっから。ゲンミツに。」
顔を見合わせる田島と三橋。田島はにへっと笑い、三橋はふひっと笑う。
ああ〜〜尊い!!マイエンジェルズ(田島&三橋)が尊い!!
てか田島がカッコいい!また逆転するから気にすんなって言ってくれる仲間がいるって投手にとっては最高に心強いよね!しかも田島だから本当にこいつならやってくれるんだろうなって思うもん。それだけの実力がある男だもん。
そんで三橋は今日変なスイッチ入ってるとはいえ、仲間の前で笑うことができるようになったんだっていうのが嬉しいね。GW合宿の頃はずっと緊張してて泣いてばかりだったのに。
審判が集まって話し合いをしている。雨天コールドにするにはバッチリのタイミング。だがここで試合が終わりになったら西浦の負けになってしまう。『せっかく桐青相手に1点差なのに…最後までやらせて』と心の中で祈るモモカン。
三橋はベンチ裏へと向かっていく。水谷が「ションベン?」と話しかける。不審に思った阿部、三橋を追いかけ三橋を探す。バシャバシャと水の音がして部屋を覗くとそこにはしゃがみこんでユニフォームを着たまま水をかぶる三橋の姿。
阿部『う……っひで……』
酷い状態の三橋の姿に戸惑う阿部。
三橋『ふああ気持ちいい』
うわ、水も滴るいい男…とか言ってる場合じゃないや。三橋はユニフォーム姿のまま水を浴びなきゃやってらんないほどにもう体が限界ってことだ。
背後に立つ阿部に気が付きビクーッとなる三橋。阿部は「手ェかせ」といいながら自分の右手を差し出す。躊躇う三橋。阿部は「右手だよ」と強引に三橋の右手を掴む。
阿部「思いっ切り握ってみろ」
三橋「……む、ぐっ」
手に力が入らない三橋。青ざめる2人。
三橋「でも、オレが、……投げっ」
投げられるのか!?いや、三橋が投げれなかったら負けたも同然なので投げてもらわなきゃいけないんだけどさっ。
ルリ「いた!!レンレン!!」
なぜかベンチ裏エリアに登場するルリ。
三橋「……!?ル!!リ……!??」
ルリ「あ…のね!叶は勝ったよ!7回コールドで、叶も7回に投げて!叶は3人で抑えて、三星は勝ったって!」
三橋「かっ、かっ、かっ」
そこに球場のスタッフの人が現れてルリに「応援の人はここは入れないエリアだよ」と注意する。ぴゅっと逃げていくルリ。ルリのことを知らない阿部は『三星の知り合い?』と疑問に思う。三橋の方を振り返る阿部。三橋は顔つきが明るくなっている。
三星が勝ったら、三橋は嬉しいんだね。叶君が頑張ってるのが嬉しいのか。
田島「レンレン」
水谷「ぷーーーっ」
吹き出す水谷。巣山も沖も笑いをこらえている。
田島「お前レンレンかよ!!」
田島はきゃはーっと笑っている。水谷はぶはっぶはっと大爆笑。
阿部「おう、いつの間に。気付かなかった。」
巣山「今の娘ダーレ?」
栄口はあれが以前三橋から話を聞いた中学時代に一緒に住んでいたイトコだと気付く。
みんないつから見てたんでしょう?ルリが現れる前の三橋の水浴びは見てたのかな?いつも三橋を気にかけている阿部はまだしも、他の5人はどうして三橋の行方を追ってきたんでしょう。ベンチ裏から女の子の声が聞こえたから不思議に思って駆けつけたのかな?
田島「三橋また変な顔してんな!ホレ、ギュー!」
右手を差し出す田島。田島の手を田島が痛がるくらいにぎゅうっと握る三橋。
田島「まだ握力あるな」
阿部「もっかい握ってみろ!」
その様子を見てた阿部も再び右手を差し出す。阿部の手をぎゅうっと握る三橋。
阿部「いっ……っ」
三橋&阿部「……!」
戻った握力に顔を見合わせて驚く2人。
三橋に痛いくらいに手を握られて涙目になってる阿部隆也がかわいいですwていうかこのシーンは全員が、全部が、かわいいに満ちている…!田島の「ホレ、ギュー!」の言い方もかわいいし、フニャフニャ顔で笑ってる水谷もかわいいし、握力が戻って驚いて顔を見合わせる阿部と三橋もかわいいし、このコマの三橋は目がまん丸で頬赤くしててかわいい。てかそもそも三星が勝ったと聞いて力が湧いちゃう三橋がかわいい。かわいいの大洪水だ〜!
ここで花井が「試合再開すんぞ!すぐベンチ戻れ!」とベンチ裏でわちゃわちゃしてるチームメイトを呼び戻す。
西浦ーぜ「また逆転してオレたちが勝つんだから!」
みんな、桐青相手でも全然諦めてない!俄然やる気!カッコいい!絶対勝とうな!
桐青高校では三橋のまっすぐを体験した島崎から話を聞いた河合が三橋の決め球はあの"変なストレート"な気がすると思考中。『初めは確かにカーブが決め球だったがそれは捕手の組み立てにハメられていたからで、あの捕手は一試合通しての配給を考えてきている』と気付く。
桐青のレギュラーでキャプテンでもある河合に「一日の長」と言わせた阿部、末恐ろしい子…!
【8回表、西浦高校の攻撃】
3番ショート巣山
ストレートに狙いを定める。
1球目、顔付近にボール球。
河合は巣山が先ほどの三橋のワイルドピッチと今の球を結びつけてデッドボールを怖がればいいと考えた様子。巣山は少しビビるが『最悪当たってもいい。けど気持ちとしては打つ』と考え直す。避けないという想いが強くなりすぎて状態が被さってくる巣山。それならば内の球は捌けないと踏む河合。
2球目、内にストレート。打ち損じる巣山。投手の横を高く抜ける球。フライキャッチされてアウトになるかと思いきやセカンド・ショート・センターがお見合いをして球を落とす。無死一塁。
ラッキー!
4番サード田島
河合は高瀬のモーションを盗んでいるのが田島だけだと知らないのでまた二塁盗塁されると考える。モモカンは河合はこちらが盗塁すると予想していることに気付いている。それならば初めはカウント整えにくる可能性が高い。その球を狙うように指示するモモカン。河合は田島の構えをみてどこにも力の入っていない自然な構えに感心している。
1球目、シュート。打つ田島。ファール。1ストライク。
高瀬のシュートはあまり変化しないので試合ではほとんど使わないらしい。その球を使うのは河合が打者の力を計りかねている時。それを知ってる高瀬は田島を"打てねえ4番"だと思うのはやめて気合入れると決意。
"打てねえ4番"だと思われてたか。確かにこの試合では田島はシンカーばかり投げられて打ててないな。
2球目、顔付近にボール球。
動じない田島。モモカンは見せ球の後なのでストレートよりも10キロ遅いスライダーでくると予想。
3球目、ストレート。モモカンの読みは外れたが、打つ田島。ファールになる。2ストライク
モモカンはカウント2−1なので次はシンカーと予想。田島にサインを出そうとするが打撃に集中してる田島は監督のサイン確認を忘れる。
4球目、ストレート。再びファールになる。
5球目、ストレート。再びファールになる。
高瀬のストレートはだんだん球威が増してるため田島が捉えきれない。でも花井はストレートで押してくるだけなら速さに上限があるから田島がいずれ追いつくと考える。
6球目、ストレート。再びファールになる。
白熱するストレート勝負に観客やベンチや野手も盛り上があり、応援の声を上げる。
読んでるこちらもハラハラします。
7球目、ストレート。再びファールになる。
河合はこれでは先に高瀬の集中が切れると考えてシンカーを混ぜることに。
8球目、シンカーを見る田島。ボール。2−2。
遠くてイマイチ変化が掴めない田島。それでも田島の構えは崩れない。
9球目、真ん中にシンカー。届くと思った田島だがチップして河合がキャッチ。三振。一死一塁。
田島『くっそおお!!今のはストライクだったのに!これが高校野球のレベルなのか!!これでオレの打席もう……』
悔しさで目に涙が滲む田島。
あの田島様でも打てないシンカーかー。いつも明るい田島が目に涙を浮かべてる姿は胸が痛くなる。
ベンチに帰ってきた田島。モモカンは目に見えて落ち込んでる田島に内心ドキドキしているが、田島は「スンマセンした!」と一言謝った後、気持ち切り替えてランコーに行く。「ふう」と一安心するモモカン。『4番が落ち込むとチーム全体が落ち込むもんね。へこたれないでがんばって!』と心の中で田島を応援する。
落ち込んでる田島が顔を上げてモモカンの方を向いた瞬間、いつも気丈なあのモモカンがドキッとするの意外にかわいらしい一面が見られてよきかなよきかな。モモカンにギャップ萌え。
5番ライト花井
田島との勝負が終わってで気が抜けた高瀬はボール球2つ出してしまう。河合は一度気が緩むとまた締めるのは難しいのであえて打たせてゲッツーを捕ろうと考える。
3球目、投球開始とともに巣山が走る。投球は内角にボール球。巣山盗塁成功。一死二塁。
今まで走らなかった巣山が走って驚く桐青メンバー。
4球目、投球開始とともに巣山が走る。まさかの三盗に戸惑う河合。巣山盗塁成功。しかもフォアボール。一死一・三塁。
ここで桐青の監督はランコー中の田島だけが高瀬のモーションを盗んでいることに気が付く。
あーバレちゃった。
6番ファースト沖
1球目、投球開始とともに花井が走る。花井盗塁成功。一死二・三塁。カウントは1−0。
河合は満塁策をとる。
2球目〜5球目、ボール。フォアボールで沖出塁。一死満塁。
7番レフト水谷
重要な場面で自分に打席がきてビビる水谷。モモカンは水谷にスクイズは危険と判断し、"打て"のサイン。
三橋「みっ、みっ、がっ、がっ」
話しかけてくる三橋の顔を見て思い出し笑いする水谷。
水谷『なんだよレンレンって。家族内でもありえねェ!あんなとこまで入ってきちゃって、三橋のあんなとこ見ちゃってビックリしなかったかな。…オレはビックリしちゃったよ。』
水谷は三橋がしゃがみこんで水を頭からかぶってるところから見てたんですね!?そんな最初から?いつの間に?他のメンバーもあれ見たの?どうして三橋を追いかけようと思ったんだろ。阿部が追いかけていったから不審に思ったのかな。
ていうか最初に三橋がベンチ裏に行こうとしてたことに気付いたのも水谷だし、そういや試合の最初のうちからやけに血色がいい三橋にも気付いてくれてたわ。水谷って意外と三橋のこと気にかけてるのか?
水谷『三橋あんな状態であと2回も投げるのか。ここまでがんばったもんな。最後までがんばりたいよな』
三橋のことを想ってくれる水谷。いい子。
あと阿部から借りたと思われる上着を肩にかけてネクストバッターサークルにちょこんと座ってる三橋がかわいい。
1球目、外角にはっきりとしたボール球を空振る水谷。1ストライク。
巣山が「水谷!サードランナー!!」と声掛け。落ち着いた水谷。2回にはいい当たりの球打てたのだから、とスライダーに狙いを定める。河合は1球目がストレートだったのでスライダーでひっかけさせてゲッツーを狙う。
2球目、スライダーを打った水谷。またセカンド島崎に捕られるかと思いきや足を滑らせる島崎。セカンド横を抜けるヒットとなる。巣山がホームに帰還。3点目。同点。花井も三塁を蹴るがアウト。二死一塁。
水谷『やったーーー!!!』
クソレフトの汚名返上です!ナイバッチ水谷!
8番ピッチャー三橋
三振。三死で攻守交代。
田島「三橋ドンマーイ!」
笑顔で三橋の頭をペンッと叩く田島。
三橋「あ、うっ」
田島「オレもドンマイ…」
急にシュンとする田島。三橋は「むへ」と驚く。
田島「オレちょっとカッコワリー。逆転するって言ったのにな――」
あの田島がシュンとして弱音を吐いてる!これは相手が三橋だからだと思っていい??三橋の前なら弱気な姿も見せられるくらいに信頼し合ってる理解してよろし!?
三橋「……みっ、みんなっ、と、オ、オ、オレ!……で!おさえるから、……もう1点」
俯く田島に必死に声をかける三橋。ハッした様子で振り返る田島。
三橋「もう1点ない……と、逆転……、ゲンミツ…って」
三橋は"みんなとオレで一緒に守ってこれ以上相手に点は取らせないから、田島君がもう1点取ってきてくれ!ゲンミツに逆転するって言ったでしょ!"と田島にハッパをかけているわけですね。そして田島は三橋語のエキスパートなので通訳されなくても三橋が言ってる意味がわかるのです!
花井「おー!こっそり落ち込んでんなよ!まだ試合終わってねーぞ!」
栄口「9回に活躍しなよ」
泉「もー一回お前に回してやっから!」
田島「ホッホントに!!!?」
西浦ーぜいい子たちばっかり!!!いいチームだよホント。
【8回裏、桐青高校の攻撃】
三橋はボードを眺める。
三橋『また同点だ。守りじゃ点は取れないけど、守れればうちは負けない』
阿部はここから後は全員最後の打席にすると意気込む。三橋のまっすぐで逃げ切るつもり。
4番ショート青木
1球目、ふつうのまっすぐ。低いと思って見送る青木。しかしこれはストライク。
ちゃんと追ってなかった青木は審判の判断に不服。
2球目、同じところにまっすぐ。空振り。2ストライク。
3球目、高目に外れる速いまっすぐ。見送り。ボール。
4球目。外角低めにまっすぐ。見送り三振。一死。
桐青の4番を再度三振に取った!
5番キャッチャー河合
河合はまっすぐがくると予想。2ストライクまでは捨てるつもりの河合はまず1球目は見ると決める。
1球目、まっすぐ。見る河合。1ストライク。
河合は浮くわけじゃなくて予想の軌道に落ちてこないと冷静に判断。次は試しにタイミングを遅らせて振ってみることにする。
2球目、まっすぐ。空振り。2ストライク。
河合は前川の情報を元に"カーブを打つつもり"で待ってストレートならカットするを実践してみることに。
3球目、まっすぐにバットを当てるがファール。
阿部は河合がまっすぐ攻略のために考えながら打ってることに気付く。
4球目、カーブ。河合の狙い球はまっすぐだったが、まっすぐ攻略のためにあえて"カーブを打つスイング"で待ってた河合は狙い球を外されたがなんとか打った。セカンドの横を抜けるヒット。一死一塁。
河合は阿部がまっすぐ狙いの河合に気付いてカーブに変えたと気付いている。『性格が悪いねェ、まったく捕手向きなヤツだよ』と評価する。でも結果的に打った河合は『オレの勝ちだぜ!』とほくそ笑む。
まあ、たまたま運よく4球目がカーブだったので打てた感はありますが、それでもあの性格の悪い阿部に超絶善人の河合がよく勝ちましたね。
阿部は『まっすぐに食いついてきてると思ったのに、まだカーブ狙いだったのか?クソ!』と悔しそう。
6番ファースト本山
この場面で桐青が一番嫌なのはダブルプレー。それを避けるためにはランナーを二塁にする必要がある。つまりここはバントしてくる。まっすぐでバントさせると打ち上げるけど桐青は勢いをうまく殺してくるのでノーバンでは捕れない上に滞空時間が長い。ここはゲッツー狙って打ち上げさせるよりも普通に転がしてもらって二死を取りたい。
1球目、カーブを投げると同時に河合が塁を蹴る。しかもバントかと思いきやバスターでセカンドの脇を抜けるヒット。一死一・二塁。
エンドランにバスターという予想外の攻め方に出し抜かれたモモカンと阿部。
スンマセン、私、野球に詳しくないのでいまいちエンドランにバスターがどうしてこの場面でそんなに奇襲なのかわかりませぬ。
エンドランの方は万が一バッターが球に当てられなかったらキャッチャーからの二塁送球でタッチアウトになる危険性があるから?でも投球と同時に塁を蹴るなら盗塁と同じでセーフになる可能性の方が高くない?今回高瀬のモーション盗んでる田島が投球開始と同時に走らせてバンバン二盗させてるよね?
それなら当てられなかった時の危険性じゃなくて、当ててよくない打球になった時のリスクが高いってことかな?内野フライならゲッツーとかそういう話か。フライは野手が球キャッチしてから塁を走り出さないといけないんだったっけ。投球開始とともに走り出してたら一塁まで戻れずにアウトになるってことね。内野ゴロでも場所によってはゲッツーになりうるし、まだ一死のうちはそのリスクを犯すよりも確実にいい打球が飛んだのを見極めてから塁を蹴るのが普通って理解でいいのかな。
バスターが奇襲なのはなんで?ググってみたけど、ヒッティング姿勢ではない状態からヒッティングするので力強いスイングが出来ない=ヒットが出にくいってこと?一死一塁ならなるべく塁を進めたいからヒットが出にくいバスターはしないってことですかね?でもそれを言ったらバントだってヒットにならないやんな?じゃあ、エンドランとバスターを組み合わせるのが危険ってことか?エンドランは内野を抜けなかった場合にランナーアウトになりやすいのに力強いスイングが出来ないバスター(=内野を抜けない可能性が高い)するのはリスクがでかいっていう理解でOK?
分かる方いたら教えてください。
7番ピッチャー高瀬
高瀬もバントの構え。『本当にバントなら沖を前に出させてまっすぐを上げさせるべきか?』と考える阿部。しかしそれでまたバスターだと頭を越される危険性が高い。すでに二塁ランナーがいる今、それでエンドランを食らったら桐青に1点追加で入ってしまう。モモカンは『バスターだと仮定するならまっすぐでフライを上げさせれば少なくとも二死は取れるし、エンドランも阻止できる』と考える。しかし阿部は桐青は今日ヒッティングで何本も打ち上げているのだから、打ち上げてダブルプレーになる危険性を考慮してバスターではなくバントで来ると予想。打者を確実にアウトにすると決める。
1球目、カーブ。しかし、再びバスター。ワンバンして飛んでいく球。田島はギリギリ届かない。三塁を蹴る河合。水谷と田島でホームへ送球しホームでタッチアウトにしようとするがブロックが甘くて吹っ飛ばされる阿部。桐青に4点目。逆転される。一死一・三塁。
吹っ飛ばされた阿部を見て青ざめる三橋。
あーまた分からない!さっきバントだと思ってバスターされて内野越されたんだから、次はモモカンが考えた通りにバスターだと仮定しておけばよかったのでは!?バスターだと思って実はバントだったら何か不都合あるっけ?
バスターだと仮定してまっすぐを投げて実はバントだった場合、"打ち上げるけど桐青は勢いをうまく殺してくるのでノーバンでは捕れない上に滞空時間が長い"から打者もアウトにできないし、ランナーに進塁されて一死満塁になるからか!?今日ヒット2本打ってる山ノ井に一死満塁で回したくないか。
じゃあまっすぐじゃない球で、バントされても打者アウトとれる球で、バスターにも対応できる球(=打ってもフライになる球)ってないか?そんな都合のいい球ないか。
"バントだと仮定してバスターだったら内野越されて1点入るが一死一・三塁で打者山ノ井。(山ノ井がヒット打ったら追加でもう1点)"と"バスターだと仮定してバントだったら一死満塁で打者山ノ井(山ノ井がヒット打てば2点入る)"を比べたら…どっちもどっちか。それならば単純に今日の試合状況から桐青の出方を予想して確率が高い方を選んだ結果バントに備えたってことでいいのかな?
8番センター山ノ井
山ノ井もバントの構え。一死一・三塁ならスクイズの可能性が高い。モモカンから1球外せとのサイン。
1球目、ボール。何も反応なし。
次はスクイズやってくる前提で沖をダッシュさせることに決める阿部。
2球目、ストライクを入れにいったところ、またバスター。三橋の顔面に飛んでいく球。三橋はグローブで弾く。ボールは三橋の後ろ側へと転がる。栄口が「後ろ!!」と教えてくれてボールを捕る三橋。「バックホーム!!」と叫ぶ阿部。しかし三橋はバックホームを躊躇する。
阿部「……!? 早く!三橋!!!!」
催促する阿部。意を決してようやく投げる三橋。ホームでクロスプレー。再び吹っ飛ぶ阿部。しかし今回は無事に本山をアウトにする。二死二塁。
山ノ井、てめえ、うちのかわいい三橋のご尊顔に向かってなにしてくれとんじゃワレェ!と本筋とは異なるところが気になる三橋ファンの私。でもグローブで顔面に飛んできた球を弾く三橋君の姿は、内股でなんだかとっても愛らしいです。胸キュン。バックホームを躊躇する三橋のググッとなってる顔もかわいい。あー三橋はかわいい。
ちなみにクロスプレーで吹っ飛ばされる阿部君もかわいいです。おお振りはみんな何気ないコマのふとした姿がかわいくて困る。
ジロッと三橋を睨む阿部、タイムをとって三橋に駆け寄る。
阿部「てめえ!!!5点目やるつもりか!もう8回なんだぞ!!」
三橋の胸倉を掴み怒り心頭の阿部。
阿部「なんですぐボールよこさなかった!!」
仲裁にやってくる栄口と田島。
怒ってる阿部と怯える三橋の2人の仲裁に来るのはやっぱりこのメンツですよねーw
栄口「え……三橋指示聞こえなかったとか?」
阿部「なわけあるかよ!!」
栄口「まーとにかく手ェ放せ」
三橋の胸倉を掴んでる阿部の手をトンッとする栄口。ふてくされた表情の阿部。
このコマ!!!不貞腐れてる阿部隆也!!KA・WA・I・I☆
白目向きながら泣いてる三橋が「……、う、あ、う」とジェスチャーで話すのを田島が翻訳する。
田島「"サードランナーが"?、"背が高くて"?、ああ!阿部が吹っ飛ぶと思ったのか!」
再度ブチギレる阿部、再び三橋の胸倉を掴む。
阿部「このだあほ!!何年野球やってんだ!!オレは怪我しねーっつったろ!!くだらねえ心配で試合ぶち壊すな!!」
審判が驚いてこっちを見てる。審判に気付いて焦る栄口は「阿部気持ちはわかるから」と阿部をなだめつつ胸倉をつかんでる阿部の腕をポンッと叩く。
マウンドで胸倉掴むのはマズいよね。しかもそんな大声で怒鳴っちゃって…。阿部の気持ちはわかるけど。親とかも観客席から見ているのでマウンドではさすがにお控えください。いや阿部の怒りの理由は真っ当なんだけども。
阿部「捕手がホームつったらホームだ!二度と逆らうな!!」
泣きながら頷く三橋。阿部は「わかりゃいんだよ」とホームベースに帰っていく。田島は三橋の帽子を拾ってかぶせてくれる。
田島「もう怒ってないってさ」
田島様!!!さすがのフォロー!!フォロ島悠一フォローと呼ばせてください!(銀魂の"フォロ方十四フォロー"のパクリですw)
涙を拭う三橋。心配そうな巣山。
三橋『よかった!阿部君は怪我しない約束忘れてなかったんだ!逆らう気なんかないんだ。阿部君のリードがなきゃオレは1つのアウトも取れないんだから』
9番ライト前川
さすがにもう二死なのでバントはない。
1球目、まっすぐ。見送り。1ストライク。
2球目、まっすぐ。空振り。2ストライク。
2球目、まっすぐ。三振。三死で攻守交代。
【9回表、西浦高校の攻撃】
阿部は前川の前打席のヒットはまぐれだったんだと確信を持つ。
三橋「あ、三橋!」
ひいっとビビる三橋。
阿部「……さっきのは別に怒ったんじゃねえだからビクつくなよなァ」
イラっとしながら三橋に詰め寄る阿部。じりじり後ずさる三橋。そんな2人を見てる栄口と田島は顔を見合わせて無言で苦笑い。
いやさっきのは怒ってただろwあれで怒ってないはムリがあるだろww
阿部は三橋にもう一回守るんだから攻撃中に力抜いて休んでおけと言う。田島は『そだ、次得点できなきゃもう守りはないんだ』と気付く。阿部は『×ゲームになんかさせねえ!!』と意気込む。
次で最低でも1点は絶対に入れないと負け確定だ!頼む阿部、出塁してくれ!
<第14回終了>