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おおきく振りかぶって 原作漫画感想 13巻 <第24回>


<第24回 / あらすじと感想

滝井監督と呂佳は桐青中学野球部の出身らしい。桐青高校の野球部は名門だが中学は特に強いわけでもない普通の軟式野球部。そこから名門桐青高校野球部に行く者は少ないらしく、呂佳の代では呂佳と滝井の2人だけの予定だったが滝井が中学3年生の夏大で肩を壊した。

4番センター和田
1球目はまずはボール球だと考える和田。しかし首を振った三橋を見て動揺して迷いバットを振る。空振り。1ストライク。
焦ってミットの位置も確認し損ねる。外に外れていた気がすると考える和田。
2球目、次は首を振らない三橋。ならば次は捕手のパターン通りのはずと考える和田。バットを振るが外のボール球。空振り。2ストライク。
3球目、また首を振る三橋。動揺する和田。『迷うな、HRした内角はきっとない。クサイ球はカットで届くところは振る』と考える。投球する三橋。このスピートはシュート…と思ったらまっすぐ。空振り三振。三死で攻守交代。
おー、和田を打ちとった!やったやん!
阿部は3球とも振ってきた和田に『これじゃ首振りで混乱したのかどうかわからない』と自分の策が効果あったのか判断に迷う。三橋は栄口と沖から「ナイピー!」と声を掛けてもらって、『いつも声かけてもらえる。みんなやさしい。みんな、阿部君のおかげっ』と阿部への感謝の気持ちでいっぱい。モモカンと話をしている阿部に近づいて一緒に話を聞こうと考える。
話を聞こうとする三橋えらい!成長してる!

阿部「――で、4番は1球目三橋に首振らせて、外のボールになるシュートを2球続けて、3球目は同じコースにまっすぐです」
モモカン「うん、ね、首を振らせるサインがあるの?」
阿部「! さっき作りました。オレの配給読まれてるくさいから、多少目くらましになるかと思って……。三橋は全部うなずくだけなんで」
ちょっと阿部君その言い方は卑怯じゃないか?自分が初対面の時に"オレの言うとおりに投げろよ。首振る投手は大嫌いなんだ"って言って首振り禁止したんじゃないか。だから三橋は全部うなずくのに、三橋のせいみたいな言い方するやん。
モモカンは阿部の後ろに立つ三橋を見て「うなずくだけ?全部!?」とギラリと睨む。阿部、その目線で三橋がそばに来てたことに気付く。
阿部「おお、いたのかよ」
モモカンは三橋の首振りをこれまで見なかったことに気付く。
モモカン『丸きり捕手に任せきりなの!?こりゃあ少々指導しないといけないようね!』
阿部&三橋『コワイ』
モモカン『もちろん言うのは試合のあとよ。ここで私が投手を萎縮させたんじゃ阿部君に申し訳ないもんね』
いや、おねーさん、すでに充分怖がらせてますからwそして指導するべきなのは三橋じゃなくて首振り禁止令を出した阿部の方です!つか三橋だけじゃなくて阿部まで『コワイ』と思ってるところが笑える。

阿部は『三橋が首振らないのは初対面の時にオレがそういったからだ。投手にそんなこと言うのはおかしいんだ』と気付く。でも今の三橋は首振れって言っても振らないだろう。
三橋「阿部君のおかげだっ。オレ、いう通りに投げられるからっ」
阿部『ホラな。こいつは今何の不満もねーんだ。わざわざ訂正してやるまでもねぇよ』
いやいやいや、何でそうなるの!?訂正して、一緒に配給考えていこうって方向に持っていこうよ。三橋が配給に介入したら阿部を攻略してきた美丞大狭山の策もかわせるかもしれないじゃない!

ここでピッチャーが竹之内から鹿島に交代。竹之内はレフトへ。モモカンは『いつもはベンチに戻すのになぜ?』と疑問。

【5回裏、西浦高校の攻撃】
1番センター泉
1球目、外にはっきりとしたボール球。見送り。
これが球速が一番速い鹿島がエースではない理由。安定感がないから。特に立ち上がりが悪く、スピードもあまり出ない上にコントロールが悪い。
2球目、ストライクゾーンにストレート。泉は思い切りバットを振る。ファール。1ストライク。
3球目、再度外にはっきりとしたボール球。見送り。2ボール。
倉田は鹿島が力んでるのを解消させようとしてスライダーを要求する。鹿島としては内心立ち上がるまでは変化球ではなくストレートを使いたいのだが、渋々従う。
4球目、スライダーのつもりが失敗してワンバン。カウント1−3。
鹿島は内心『ストレートが入らないんだから、変化球なんか入んねーよ。直正(宮田)はわかってくれたのに、なんで岳史(倉田)はわかってくれないんだ』と不満。泉は1−3でもボールは待たずに打つ心構え。
5球目、ストライクゾーンに入ってきた球を打つ。バットを振り抜いて飛んでいった球は内野を抜けるヒット。無死一塁。
泉君、ナイバッチー!

2番セカンド栄口
どうやら美丞大狭山の3番手投手斎藤は肩を壊しているらしく、それで今日はなるべく温存したい意向らしい。なのでなるべく鹿島に粘ってもらいたい。
1球目、送りバント成功。一死二塁。
モモカンは鹿島は4〜5人目で立ち上がりが完了してしまうので、その前になるべくランナー溜めて点を入れたいという考え。
栄口君は安定感ありますね。

3番ショート巣山
1球目、外にはっきりとしたボール球。見送り。
倉田は再び鹿島が力んでるのを解消させようとしてスライダーを要求するが、鹿島が拒否。鹿島は一塁空いてるので歩かせてもいいつもりでストレートを投げて肩を温めることを優先したい。
2球目、ストレート。巣山はレフト前ヒットを打つ。一死一・三塁。
攻撃も西浦に流れ来てるぞ!

4番サード田島
2点差になると呂佳からラフプレーの指示が出る可能性があるため、西浦に3点目を入れさせたくない倉田。しかし、鹿島がまだ立ち上がらないのでどうしようもない。
1球目、ワンバンのボール球。
倉田はボールでもせめて際どい所にいれてほしいと思う。鹿島側は最悪1点ならいれられても構わないと思っている。すれ違う美丞大狭山のバッテリー。
2球目、外角低めのストレートを狙うが甘い球になってしまい、田島が見逃さず打つ。一・二塁間を抜けるヒット。三塁ランナー泉がホームへ帰還して3点目。一死一・三塁。
よっしゃ!3点目!!さすが田島様〜!

宮田はライトから鹿島を励ますために声掛けをする。本来投手をケアするべき捕手の倉田は点差が2点差になってしまったことを気にして、その余裕がない。

5番ライト花井
1球目、ストレート。打ち上げてしまい、センターフライ。キャッチアウト。キャッチと同時に三塁ランナー栄口が塁を蹴ってホームへ帰還。4点目。二死一塁。
4点目!花井もやるじゃん!

宮田は倉田に対して『鹿島は乗せてやればもっと上手く投球できるはずなのに』と不満。倉田は内心鹿島の立ち上がりの悪さやサインに従わないことを良く思っていないが、それを抑えて鹿島に自分のリードが良くなかったと謝罪する。そして「肩できたんならもうあいつら打てねーぞ!思い切ってこい!」と鹿島を鼓舞する。その言葉に満足気な鹿島。

一方、西浦のベンチでは点を入れた花井がみんなとハイタッチをしている。…と、花井は小さく手の平を広げてドキドキしながら花井からのハイタッチを待つ三橋に気付く。バッシーンと三橋の手を叩く花井。ウヒヒヒと喜ぶ三橋。花井は「んなことでうれしそうにしないでくれぇ」と恥ずかしがる。
阿部といい、花井といい、気が強い系の人たちは素直でストレートに気持ちを表現する三橋君には弱いところがありますねw
三橋は序盤に取られた4点分を取り返せたので『これで阿部君のせいはなくなった』と一安心。

6番ファースト沖
1球目、ストレート。見送り。1ストライク。
鹿島はようやくエンジンがかかった様子。河合は先程の倉田の声掛けが上手くいったと気付いて感心している。
2球目以降も打てず、三死で攻守交代。

【6回表、美丞大狭山高校の攻撃】
5番ライト宮田
1球目、ヒット。無死一塁。

6番ピッチャー鹿島
1球目&2球目、バントのつもりが失敗しファール。2ストライク。
3球目、外にカーブ。空振り三振。一死一塁。

7番ファースト松下
1球目、打つが4-6-3の連係プレーで併殺。三死で攻守交代。
ナイス連携プレー!いいぞ、いいぞ!西浦っ!

河合はもう帰ろうとするが、そこに呂佳がトイレに行ってしまう。倉田が動揺しているのを見て、呂佳が帰ってくるまでいることにする。

【6回裏、西浦高校の攻撃】
西浦のベンチでは阿部が三橋に首を振らせた効果が出てるのかわからず戸惑っている。それに効いていたとしてもバレるのは時間の問題だという危機感もある。
このコマの阿部君の顔、めっちゃ好み。整ってる!イッケメーン!
阿部は三橋に鹿島の球は当たったら本当にマズイから気を付けるように忠告する。
阿部『ノーコン速球派は試合出すなよな。投手に当てたらどうするつもりなんだよ』
この阿部君のセリフ、すごい阿部っぽくてスコのスコ。

7番キャッチャー阿部
ベンチでは次の打席の水谷をリラックスさせるために泉と田島が脇をくすぐってる。阿部は3番手の斎藤からよりも鹿島からの方が点を取りやすいので『三橋にはああ言ったけど、正直当たっても出てぇぞ』と考えている。
いや、捕手のあなたも替えのきくポジションじゃないんで当たろうとか思わんといてw

1球目、ストレートがドンッと真ん中に決まる。見送り。1ストライク。
阿部は球が速くて手がでなかった模様。
2球目、ストレート。ボール球。見送り。
3球目、ストレート。空振り。2ストライク。
本調子になった鹿島の球は阿部でも打つのが厳しい。
4球目、内角にストレート。ボール球。見送り。2ボール。カウント2−2。
5球目、スライダー。ボール球。見送り。3ボール。カウント2−3。
阿部『やべ、手ェ出なかった』
阿部でも厳しい球。ボール球でラッキー。
6球目、外角にストレート。ボール球。フォアボールで出塁。無死一塁。
ラッキー!

8番レフト水谷
モモカンは打ての指示を出す。
1球目、内角にストレート。あまりの速さにビビって避けてしまった水谷。見送り。1ストライク。
2球目、ストレート。怖くて手が出ない水谷。見送り。2ストライク。
3球目、ストレート。空振り三振。一死一塁。

9番ピッチャー三橋
水谷は三橋に投げた瞬間振らなきゃ当たらないとアドバイスする。また、デッドボール食らったら骨が折れる可能性もあるから当たらないようにと注意をする。
三橋「あ、りが、とう」
水谷『へ?お礼?なんで?』
三橋は心配してもらえてうれしかった模様。モモカンはバントの指示。

1球目、バントの構えをする三橋に真ん中高目にストレート。ボール球。構えを外して見送り。
2球目、ストレート。見送り。1ストライク。
3球目、バントの構えをした三橋のバットに強く球があたって跳ね返り、ダブルプレーを食らう。三死で攻守交代。

モモカン『サイッアクだわ、何もさせずに突っ立たせておくべきだった…!』
このモモカン怖い…。三橋はやるときゃやる子なんですけどね。
沖は『あの球は難しいって。ダブルプレーは凹むけど……元気出さなきゃ!お前はエースなんだから!』と考えながら三橋に「ドンマイ!またチャンスあるよ!」と三橋の肩をポンッと叩く。
沖君んんん!!優しい!!ありがとう。沖君が三橋に"お前はエースなんだ"って思ってくれてるの、なんかジーンときた。
三橋は「うお!うっ、うん!」と意外と元気そう。
三橋「あ、あ、り、が、と、う」
沖「お?おおっ」
なんかこの2人って雰囲気ほのぼのしててかわいいね。
だがしかし、ホクホクしてる沖と三橋の間に割って入る阿部。阿部は水分取らずに守備に入ろうとした三橋に対して「おい!そのまま出んな!」と叱る。ドキィとする三橋。何故か一緒に沖もドキィ。
おい!阿部!せっかくホクホクしてる可愛らしい2人をぶち壊すなww
そして自分が叱られたわけじゃないのにビビっちゃう沖君はかわいらしい。
阿部は本調子になった鹿島からは点を取るのが難しそうなのでこれ以上相手に点はやれないと気を引き締める。三橋はみんなから気にかけてもらえて幸せだと思うとともにそれは自分が役に立ててるからで、役に立てるのは阿部のおかげだと完全に阿部に依存モード。
それは逆に言えば阿部君がいなきゃ自分は役立たずで、役立たずになったらもうみんなに大事にしてもらえないと三橋は思ってるということで…なんだか切ない。阿部君は確かにすごい人だけど三橋だってすごい人なんだよ。阿部君がいなくたって三橋はみんなから大事にされるに値する人なのにな。
それに阿部は三橋に自信持たせてやりたくてそのためにも勝たせてやりたくてがんばってるんだけど、そうすればそうするほど三橋は"全部阿部君のおかげ"って思考になっちゃって、阿部は三橋のことを思ってがんばってるのに結果的に三橋のためになってないっつーのが切ない。

【7回表、美丞大狭山高校の攻撃】
倉田は呂佳のサインに従っても従わなくてもレギュラー外されるのだから、従わない方がいいと考える。
散々ほのめかされてきましたが、呂佳のサインはやっぱりラフプレーをわざとやって相手を怪我させるという指示だったことがここではっきり明らかになりました。呂佳ってサイテー。
倉田はこれまでわざとラフプレーで怪我させた2人に心の中で謝罪して、『自分はもう高校で野球やめるから今日だけ許してくれ』と思う。
倉田は加害者なんだけど、同時に被害者でもあるんだよね。倉田のしたことは決して許されることではないんだけど、でも倉田可哀想だなって同情する気持ちもある。このシーンはつい泣いちまうわ。

8番キャッチャー倉田
1球目、真ん中からボールになるカーブ。見送り。
倉田は最初カーブを1打席目でヒットしたのでカーブはもう来ないと思ったが、ここでこの捕手はあえてカーブなんだと理解する。
2球目、三橋が首振りするが倉田は惑わされない。倉田の得意な内にはストライクは来ないし、決め球がまっすぐなら今回は変化球でくると倉田は予想。外にストライクになる変化球、すなわちスライダーが来ると読む。完全に読まれた阿部。センター左にツーベースヒットを打たれる。無死二塁。
倉田はバッターとしてもかなり優秀なんだよなー。こんな人材を潰した呂佳は本当にサイテーだと思う。

9番レフト竹之内
バントの構え。やらせたくない阿部はまっすぐを2連続で要求。
3球目、カーブ。空振り三振。一死二塁。

1番ショート川島
阿部はもう7回なのでまっすぐを出し惜しみせずに抑えるつもり。しかし川島にはその思惑が読まれている。
1球目、まっすぐ。見る川島。1ストライク。
2球目、まっすぐ。投球と同時にバントの構えをする川島。上手に球勢いを殺してセーフティバント成功。一死一・三塁。

ここで矢野がサードランナー倉田にもうラフプレーはするなと遠回しに釘をさす。

2番サード石川
阿部はマウンドの三橋に駆け寄って「またバックホーム躊躇したらぶっ殺すかんな!」と三橋の胸倉を掴んで忠告する。
マウンドで胸倉を掴むなよ!今日TV放送されてんだぞ!栄口君も同じこと考えて青ざめてるぞ。
モモカンは3・4番に満塁で回したくはないのでスクイズは警戒するがフォアボールにはしたくない。まっすぐを使ってストライクも取るをように指示する。阿部はまず1球目は外すことにする。
1球目、まっすぐをおおきく外す。見送り。1ボール。
2球目、内・高目に速いまっすぐ。投球開始とともに一塁を蹴る川島は二塁盗塁成功。一死二・三塁。
ゲッツーはなくなってしまったが、この状況なら次こそスクイズが来ると踏んだモモカンと阿部、外に大きく外すように指示。
3球目、まっすぐをおおきく外す、投球開始とともに塁を蹴るランナー。チャージをかける田島と沖。読み勝ちと思いきや無理やりバットに当てる石川。思わず走路を塞いでしまう阿部。チャージをかけていた沖はワンバンで球を捕ってグラブトスでバックホームする。しかし、ミスで球を逸らしてしまう。無理に捕りに行く阿部とスライディングで阿部の下に入る倉田。
阿部『やべえっ、踏む!!』
阿部の右足のスパイクが倉田の左腕を踏みそうになる。ドッという音とともに転がる阿部。
審判「セーフ!!」
阿部の落とした球を拾う三橋。サードもファーストももう塁に到着している。
ちゃんとボール拾いに行ってえらい三橋。
阿部「……っ」
左膝を抱えて起き上がらない阿部とそれを見て呆けた三橋の顔。「お、阿部!」と言いながら駆け寄る田島。
三橋の呆けた顔が…胸が痛い。
田島「タイム!」
そしてこの状況で阿部に駆け寄って冷静にタイムを取る田島君、超優秀。
審判「立てないか?」
田島「どーした!」
阿部「…っ、大丈夫っす」
立ち上がろうとするがガクッと倒れ込む阿部。
田島「おい」
審判「ダメか!?」
阿部「いや、大丈夫っす!」
その様子を唖然とした顔で見ている三橋。
この三橋の表情が…もう、さ、何とも表現しがたい気分になるよ。胸がグリグリ抉られる感覚。とりあえずとてもシンドイ。
阿部「……、く…っ、んっ、と」
ここの田島の表情もさ…、ううっ、胸が苦しくなる。
沖「…ゴメン、オレ、変なトコ投げちゃっ」
阿部「平気だっつってんだろ!!」
沖「!!!」
田島「沖、大丈夫だよ。ボール回しやってて」
田島君はホンットにデキる子だわ。野球のスキルだけじゃなくて、コミュニケーション能力も状況把握能力も判断力も別格だわ。君が西浦にいてくれて本当によかった。
阿部「はあ!?なんでだよ!」
田島「スンマセン治療の時間もらってもいいですか?」
阿部「!!」
審判「うん、救護班に診てもらいなさい」
阿部「……」
田島「三橋!ベンチまで連れてくぞ!」
呆けている三橋。
田島「三橋!!!」
はっと我に返る三橋。
田島君ありがとう、ありがとう、ありがとう、大好き!!
田島と三橋で阿部を担いでベンチまで連れていく。
ここで「腰支えて。ベルト持て」って的確な指示ができる田島君に惚れない人いる?いねえよな!!

矢野が呆けている倉田に話かける。「オレじゃない!」と取り乱す倉田。「わかってるよ!近くで見てたんだ!引きずんな!それよかお前は大丈夫か」と倉田を心配する矢野。倉田は阿部のスパイクがかすって左腕から出血している。

TV中継では先程のクロスプレーの映像をスロー再生して阿部の着地が失敗したことを解説している。それを見ながら阿部母は青ざめている。

西浦のベンチでは救護班の女性が阿部の怪我を診ている。U度の膝の捻挫との診断。
阿部「痛くないっすよ。捻挫ですよね。テーピングしてもらえますか。」
強がる阿部。三橋は真に受けてホッとしている。
「ホ」じゃないのよ、三橋君…。
モモカン「阿部君立てる?」
気合で立つ阿部。
モモカン「左足に体重かかってないよね?足がつけないならまず間違いなくU度以上ね。捻挫って言っても靭帯に裂け目ができてしまった状態のことだよ。今動いたら確実に悪化するし、第一、痛くてしゃがめないでしょ」
阿部「やれます」
意地を張る阿部。モモカンと阿部のやり取りを見ながら右往左往する三橋。
モモカン「やれないよ。やっと立ってるような人が何言ってるの。」
脂汗を描きながらもやれると意地を張る阿部は、きっと三橋のこと(三橋とした約束のこと)を想ってて、阿部君に依存している三橋は阿部が捕手をやれないかもしれないこの状況に動揺してて、きっとそんな三橋の様子も阿部がこんな状態でまだ強がる理由の一つで、阿部も三橋もお互いのこと大事に思ってるのに、大事に思ってるが故にお互いを追い詰めてしまうこの2人の関係性がツラい。
モモカン「田島君、防具付けて!」
田島「はい!」
この状況で落ち着いていられる田島はホンットにスゴイ子。
モモカンは西広にレフトに入るように言う。レフトの水谷はサードへ。
モモカンが審判に説明をしているのを見ている三橋の横顔がこれまた何とも言えない顔をしていて胸が抉られるんだ…。
モモカンは三橋にマウンドに戻ってキャッチボールするように言う。それでも動揺して動けない三橋。
モモカン「三橋君!あなたは早く戻んなさい!みんな待ってるよ!」
三橋「……」
このコマの三橋の顔よ…。動揺しているというか、焦ってるというか、不安げというか……なんかもう今にも足元が崩れ落ちそうなこの表情を見てるのがツラい。私、三橋君のこと大好きだからさ、三橋がツラそうにしてるとこっちもツラい。でさ、きっと阿部君も私と同じなんだよ。阿部君も三橋のことが大事だから、この三橋の表情を見てるのすごくツラいんだと思うんだよね。
三橋の右腕をガッと掴む阿部。その様子を見守るモモカン・シガポ・篠岡・田島。
この田島の表情が色々なことを察している感じがしてとてもよいです。さすが田島様です。
顔を伏せて悔しそうに口元を歪ませている阿部。三橋は阿部の左膝が震えていることに気が付く。
三橋「あ、阿部君、座って。アイ、アイシングだよ」
三橋の右腕を掴んだまま無言でベンチに座る阿部。

三橋「あ、の」
モモカン「大丈夫。ちゃんと手当しとくから!」
まだ三橋の右腕をぎゅうと掴んで放さない阿部。
つ、ツラい…。
あの阿部君が右利き投手である三橋の右腕をこんなぎゅっと握るんですよ?普段だったら投手の三橋の大事な右腕をこんなキツく握ったりしないじゃん。これが、阿部が今どれだけ心に余裕がなくなってるかを表現してるんだと思うんだよね。んで、あの阿部君が何も言わないんだよ。何も言えないんだよ。すごく苦しそう。
それから三橋ね、さっきまで足元が崩れ落ちたかのような顔してたのに、この苦しそうな阿部を見て、三橋の方から「座って。アイシングだよ」って。それってさ、三橋が阿部が怪我で捕手やれないってことを受け入れたってことなんだよね。阿部君がいないとオレはダメになるって言ってた人が、その事実を受け入れたっていうのがさ、三橋君もがんばったよ。えらいよ。カッコイイよ。
三橋「……、アウトあと2つ、取ってくる、よ」
えらいよ、よく言えたね。
その言葉を聞いてようやく三橋の腕を放す阿部。
三橋『阿部君がいなくても、アウトを』


防具をつけながら3・4番の今日の配給を頭に叩き込む田島。ここで審判に急かされる。モモカンはグラウンドに向かおうとした田島の頭をつかんでストライクorボールの指示はモモカンが出すから他は田島で考えろと指示する。

阿部が交代のアナウンスを聞いて動揺する観客席。阿部母は青ざめている。

三橋はマウンドでキャッチボールをしながら皆に「阿部君は膝の捻挫だって!だいじょーぶたって!」と大声で伝える。栄口は沖に「もう気にすんな!」と声を掛ける。
そーだよね、沖君だってつらいよねえ。栄口君はやっぱフォローの神だわ。
ここで防具をつけた田島がグラウンドに登場。
田島「ボールバックー」
あまりの大声に泉を代表としたみんながビックリ。三橋は防具をつけて現れた田島の姿をみて改めて『阿部君は、いないん、だ!』と認識したようで青ざめている。マウンドの三橋に駆け寄る田島は三橋が「ふげふ」と咳込むほど強く三橋の首に腕をまわして抱きつく。サインの確認をする2人。
田島「三橋、手ェ貸して」
田島の右手を握る三橋。
田島「オレのがビビッてっか。練習試合で1回くらい組んどきゃよかったな」

どうやら田島の手の方が冷たいらしい。田島様でもビビるのか。平気そうな顔してるのに。ポーカーフェイスだな。
てか練習試合ですらも一度も組んだことないの!?それはモモカンの失態だわ。
田島は「まだきちんとリード考えたことないから捕手として自信満々とは言えない」と言う。
田島「だから阿部みたいにはいかねーけど、がんばっからよろしくな!」
三橋「たっ、田島君は、オレを、頼ってくれ!」
顔を見合わせる田島と三橋。
田島「おし!頼らしてもらう!」

尊い〜〜〜〜〜〜!!!やっぱ田島三橋コンビって尊いわ。
三橋よく言った!!カッコイイぞ!!

試合再開。一死一・三塁。
田島は沖と水谷と西広にもフォローを入れる。
さすが田島様だわ。惚れるわ。
田島「声出してこーー!!」
みんな「おおおおお」
三橋『田島君でもあんな風に思うんだ。オレだけ不安なんじゃない。阿部君はチームの正捕手なんだ。阿部君のいない分はみんなでがんばるんだ…!』
三橋はいい子だ!

3番セカンド矢野
1球目、モモカンからボールの指示。外・低目にまっすぐ。1塁ランナー投球開始とともに走る。田島が2塁へ走塁。栄口はサードランナーがいるのでカットする。けど、もしカットしなかったら二塁アウトにできてたくらい田島のスローイングは良い。
これは走塁した田島のミス?それとも2塁カバー入ってなかったショート巣山のミス?それともカットした栄口のミス?それともこれで正しいの?
2球目、滝井監督は待ての指示。モモカンはボールの指示。外にまっすぐ。見送り。
3球目、モモカンからストライクの指示。田島は次も見てくると考えて、打者の動き見るために内・低目にまっすぐ。見送り。
田島は三橋のコントロールの良さを実感して感動している。
キラキラしている田島君が可愛い!
4球目、速いまっすぐをストライク狙うが外れてボール。カウント1−3。
5球目、低目に速いまっすぐ。ストライク狙うがまた外れてフォアボール。一死満塁。
田島君は速いのが安全って思ってるのかな?やっぱすぐには三橋の球は使いこなせないみたいです。

阿部はフォアボールに愕然としている。モモカンにチェンジまでにその顔どうにかしろと叱られる阿部。救護班の女性は「成長期なんだから3週間で治るから大丈夫」と阿部を励ますが阿部は三橋との約束を破ったことを気にして悔しがる。
阿部『バリバリ食ってガンガン寝て2週間で治す!!』

4番センター和田
三橋は『田島君が全力のストライク求めてきたら全力でストライク入れろ!』と気合を入れる。
気合でどうにかなるもんじゃないと思うので、三橋が今やるべきなのは外したらまずい場面で全力求められたら首振ることだと思うのですが、そんな考えは毛頭ないようです。
1球目、速いまっすぐをストライクゾーンに入れる。見送り。1ストライク。
2球目、普通のまっすぐをストライクゾーンに入れる。和田、タイミングが合わず空振り。2ストライク。
3球目、速いまっすぐを和田がファールにする。
4球目、外にボールになるシュート。見送り。カウント2−1。
5球目、ボールになるカーブ。見送り。カウント2−2。
6球目、速いまっすぐをストライクゾーンに要求されるがボールになる。見送り。2−3。
7球目、シュートを打たれる。栄口が腹で止めるがキャッチはできず、一塁へ送球。アウト。しかし、サードランナーはホームに帰って美丞大狭山に7点目。二死二・三塁。
どうも田島は速いまっすぐが一番いい球だと思ってるみたいですね。でも三橋は速いまっすぐのコントロールは2分割なので、これが一番いい球じゃない気が私はします。三橋を活かすリードはもっと別なリードだと思う。…やっぱ阿部君と三橋は相性ピッタリなんだよなと改めて気付かされますね。
てかここの栄口君マジで男前!
三橋は点を入れられても『阿部君いなくてもアウト取ったぞ!』と前向きで「ナイスセカン!ナイスファースト!」と大きな声で声出しをしているし、「ツーアウトーオ!」と周囲に呼びかけている。そんな三橋を見て何か思うところがある様子の田島。三橋に駆け寄り、次のバッターの配給を訊ねる。どもりながらも全部きちんと記憶している三橋。
田島「よし!サンキュー!」
三橋は田島に頼られて嬉しそう。
三橋君は頼られるの好きだねー!阿部君ももっと三橋を頼ってくれ!信頼してやってくれ!やればできる子なんだ!
美丞大狭山はモモカンがリードのサインを出していることに気付く。

5番ライト宮田
田島は宮田が内ばかり打っているので外角好きというデータは一旦置いておいて外に入れることにする。
1球目、外・低目にスライダー。見送り。1ストライク。
次の球、モモカンはボールの指示。田島はボールなら内に入れると決める。
2球目、内・低目にボールになるまっすぐ。見送り。カウント1−1。
田島はここで宮田が待ってるのは高目だと勘付いた。
3球目、外・高目にスライダー。三橋のスライダーは少し落ちるので、打ち損じる。ファーストゴロでアウト。
三死で攻守交代。
うおー、とりあえず乗り切ったー!みんなよくがんばった!

【7回裏、西浦高校の攻撃】
美丞大狭山はモモカンのサインを解読しようとしている様子。
一方、西浦高校のベンチでは阿部の怪我のRICE処置を見て水谷が「ネンザでこんなすんだ」と驚いている。
阿部「あのな!オレは平気だから気にすんな!」
水谷「お?」
阿部「じゃねーや。気にしろ!」
花井・栄口・泉・沖「あ?何?」
阿部「お前ら打てよ!オレのために!」
花井・栄口・泉・巣山・水谷「ぶっはー」←笑ってる
阿部「狙い通りだよ」
いやーこのシーンめっちゃ好き!阿部君は意外とギャグセンスがあったんだなw
沖『オレは笑っていい立場じゃない』
阿部「沖、お前のせいじゃねーけど、気にしてんなら打てよ!」
沖「…・・・・うん、がんばるよ!」
ここもいいシーンだよな。沖が自分を責めないようにとケアしつつも、気にするなと言われたところで気にせずにはいられないだろうから、気にしてんなら打ってくれって言ってハッパかけるところが素晴らしい!そのコミュニケーション能力、対三橋にも発揮していただきたい。
田島と三橋はモモカンへの報告が終わって美丞大狭山の打者のデータを覚えようと必死。阿部は丸暗記しても意味ないから流れを説明すると申し出る。三橋は阿部が元気を取り戻したことやベンチの他メンバーの明るい雰囲気をみて『この試合、まだがんばれる!』と意気込む。
河合はあと3回で3点は厳しいとみてる。そこに呂佳が帰ってくる。呂佳は何が起きたか知らないふり。河合は倉田が3回戦でもクロスプレーで相手選手を負傷退場させてることを知っている。

1番センター泉
1球目、外角にストレート。ボール球。見送り。
2球目、ストレートを空振り。1ストライク。
泉は鹿島の球の速さについていけてない。

西浦高校のベンチでは阿部の解説を必死に頭に叩き込む田島と三橋。
ここの阿部君、首振らせるサインで首振りさせてたこと敢えて言わないあたりがちょっとズルいっすwそれ言ったら首振り禁止令出してたこと言わなきゃいけなくなるもんねー…。

そうこうしてる間に泉は三振で一死。

2番セカンド栄口
1球目、ボール球。見送り。
2球目。ボール球。見送り。
3球目、栄口はこのカウントならストライクに入れてくると踏んでフルスイング。空振り。
でも栄口は相手にプレッシャーを与えるために睨みを利かせる。挑発に乗る鹿島。
4球目、力んでボール球。見送り。カウント1−3。
栄口は相手を挑発するためここでにやあっと笑ってみせる。カッとなる鹿島。
栄口君、上手い!
5球目、栄口の挑発の影響でフォアボール。一死一塁。

3番ショート巣山
田島はネクストバッターサークルに入らなければならない。まだデータを覚えきれてない田島は「うぎ〜〜〜っ」と唸る。
1球目、モモカンからバントの指示。鹿島は自分の人相の悪さを利用してバント体制の巣山と目線を合わせてビビらせる。巣山は打ち上げてしまい、ファーストフライ。バント失敗。二死一塁。

4番キャッチャー田島
田島は人の考えた配給を覚えるのはキツいらしい。
1球目、気合の入った速いストレート。空振り。1ストライク。
田島は守備のことをつい考えてしまって打席に集中できない。
2球目、気合の入った速いストレートをファール。2ストライク。
3球目、ボール球。見送り。
4球目、力勝負を挑む倉田。田島は空振り三振。
三死で攻守交代。
田島『ぐぞおおおおっ、キャッチャーも4番もはけっこうキツイぞォ』
そうだよな…。あの田島様でもさすがキツイよなァ。

【8回表、美丞大狭山高校の攻撃】
阿部は三橋に「田島信じて投げればいいからな!」と声を掛ける。しかし内心では田島のリードは不安だと思っている。
阿部『三橋が言いなりになるようにしむけて、簡単に言いなりになった三橋の盲信がオレは心地よくて、三橋が自分で考える機械を全部潰してきちまった。田島の捕手は不安だと思ってるのに田島を頼れとしか言えねェよ。がんばってくれ。試合終わったらイロイロあやまっからがんばってくれ!』
切ないっすね。でも阿部が三橋に首振り禁止令を出したことを間違っていたんだって認められるようになったのは進歩です。阿部の怪我はすごくチーム全体にとって負担がデカい出来事だけど、でももっけの幸いって言うのも良くないかもしれないけど、阿部と三橋の機能不全な関係性を改善するのに大きな役割を果たしたという意味では、必要なことだったのかなって思います。
一方三橋側はリードを全て阿部に任せていたことについて、面倒事を押し付けていたと考えている。阿部が言った「田島信じて投げればいいからな!」というセリフも阿部の本心じゃない、阿部は今そう言うしかないってことにも気付いている。
三橋君はやっぱちゃんと考えられる子です。
三橋は怪我しない約束も無理やり自分がさせてしまったもので、最初から無理な約束だったと気付く。その無理やりな約束をさっきまで信じていた自分を愚かだと思い、自分は阿部をなんだと思っていたんだと責める。
三橋『阿部君は約束を覚えてる。はじめからムリな約束を破ったことを気にしてる。もう気にしないでって勝って言うぞ!』
ううう…。涙出てくる。三橋も阿部もお互いのことを想ってて、両者ともに自分の行いを反省してて、この試合が終わったらやり直そう思ってる。色々上手くいかないことも多い2人だけど、お互いのことを想い合うその気持ちは本物で、この関係性、もう尊いという表現しか浮かばねえ!!

6番ピッチャー鹿島
1球目、内にボールからストライクになるスライダー。見送り。1ストライク。
美丞大狭山はモモカンのサインの解読中。
キャッチャーのサイン盗みは反則だって聞いたんですけど、監督のサインを盗むのは反則じゃないんですか?
2球目、まっすぐ。2ストライク。
3球目、不明。
4球目、ライトフライ。一死。

7番ファースト松下
1球目、レフトフライ。二死。

美丞大狭山のベンチではモモカンのサインの解読に成功。
いいの?それってルール違反じゃないの?ヤノジュンが否定しないってことはありなの?

8番キャッチャー倉田
1球目、外・低目にカーブ。ボールになる球。モモカンのサインがバレてるので見送り。
2球目、モモカンのサインでストライクとバレてる。ストライクならまだ打ってないシュートと読む倉田。田島はその通りにリードを出してしまう。内・低目ギリギリにシュート。打つ倉田。ショートゴロ。
間に合わないと思いきや、倉田が一塁の前で立ち止まり、その隙をついて一塁送球し、アウトを取る。
三死で攻守交代。

河合はスタンドからどこか痛めていたのかと疑問を呈する。と同時に3回戦でのクロスプレーについての話を呂佳に続ける。呂佳は不機嫌。河合は『これはなんかある』と勘付く。
さすが和さん!頼れる主将!(元だけど)

倉田は駆け抜けるのか滑り込むのかわからなくなったらしい。
ここちょっとよくわからないんですけど、これまで危険なプレーをわざとしてきて、駆け抜けるべき場面で滑り込んだりしていたってこと?そういうことをやってたせいで混乱してしまった?って理解で合ってる?

【8回裏、西浦高校の攻撃】
田島「花井出ろよ!」
三橋「花井、君!うっ、打てる!よ!」
花井目線で見るチビーズちっこくてかわええ!このコマ大好き!2人とも上目遣いなんよ。
田島と三橋は再び阿部にリードの解説を頼む。沖も花井に「打ってくれよ!」と言いに来る。花井はあと2回で4点返さなければいけないし、7〜9番に本調子になった鹿島の球を打つのは難しいと考える。
花井『ここはぜってー出ねーとだ!』
そうだぞ!出ろ、花井!打て、花井!

<第24回終了>