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おおきく振りかぶって 原作漫画感想 4巻 <第10回


<第10回 / あらすじと感想

練習試合で初めてフライを捕って喜ぶ西広。今回は三橋がベンチ。西広の初キャッチに興奮する三橋は喜びでウロウロして篠岡とぶつかる。「ぶつかっちゃったね」といいながら軽快に笑う篠岡は今日が三橋の誕生日だと知っていて「おめでとう」と祝ってくれる。顔を赤くして喜ぶ三橋。
さすが篠岡さんよく知ってるしやさしーね!

練習試合後、モモカンからのお話。どうやら明日から試験週間で部活はない模様。皆に勉強してるか問うモモカン。勉強が得意ではない田島は「勉強の話は聞きたくない」と嘆く。でもモモカンは専任教師のシガポの目がある手前、勉強するよう皆にちゃんと指導しなきゃいけない。モモカン曰く、野球やるには勉強しておくのも大事だとのこと。理由は勉強してないと野球の練習がつらくなった時に『こんな野球やってていいんだっけ?こんな成績じゃ野球やってる場合じゃねーぞ』と思い始めたりして勉強をサボりの口実にしてしまうからだと。「悪い成績表を目の前にして親に説教されたりしたら気持ちがグラグラして野球に燃えられなくなっちゃう!」と力説するモモカン。
阿部「やけにリアルだな」
花井「体験談か?」
モモカンにもそんな時期があったんでしょうか?モモカン別に勉強できなさそうなイメージはないんだけどな。

ここでモモカンが「グラマーやばい人?」「オーラルやばい人?」「数学?」「現国?」と皆がどの教科がやばいか聞いていく。全部に「はーい」と返事する田島&三橋コンビw モモカンは田島と三橋の頭を掴んで「あんたらねェ…っ赤点取ったら試合出してあげられないからねっっ」と冷や汗をかく。背後に目を光らせてるシガポがいる。田島と三橋も「ええ〜〜っ」と焦る。
攻守の要である阿部と田島が試合出れないのはまずい!というかそもそも西浦10人しか男子部員いないから2人欠けたらその時点で棄権するしかねえ!!
田島は野球に関しては色々頭回るんだから地頭は良い方だと思うんだけどねえ、勉強に興味がないから成果がでないのかな。でも西浦ってそこそこ偏差値の高い進学校らしいし、ヤル気にさえなれば田島はできる子だと思うんだ。三橋も9分割のコントロールを身に着けられるほどの努力家だし、一試合通して失投が全くないほどに集中して投球できる高い集中力を持ってる子だし、成績が悪いと試合に出れない、すなわちマウンドに登れないってなったらがんばれる子なんじゃないかと思います。努力できるっていう誠実さとか勤勉性も一種の才能だからね。
モモカンは花井にこの2人の面倒を見るように言う。監督は試験休み中夜通しのバイトを入れちゃってるので助けられないらしい。頭が下がる花井。

部室での着替え中、花井は「お前らどのくらいヤバイの?」と聞く。田島は「どのくらいヤバイかわからないくらいヤバイ」と答える。三橋は自分に聞かれてると気付いてなくて阿部が「お前も聞かれてんだぞ」と指摘してる。花井はこの2人に勉強教えるために「今日空いてるやつは付き合え」と指示を出す。花井は英語は得意だけど、数学はあやしくて、生物は苦手らしい。
生物は教科書に書いてあること覚えるだけじゃね?細胞の構造とかさ。英語ができるってことは英単語や不規則動詞の変化とかは覚えられるんだろうになぜ生物はだめなんだろうか。
泉は英語が苦手らしく、自分も教わりたいという。水谷は古典が苦手。栄口は古典が得意だけど数学が苦手。沖も英語が苦手。みんながみんなアレを教えてほしいコレを教えてほしいとわいわいし始め、花井が「全員でやるとなると場所はどうするか」と困惑する。ファミレスやマックはガヤガヤしちゃうし、今日は図書館は空いてないらしい。
というか仮に図書館やってても10人で勉強教え合ってたらうるさいから迷惑だろぉ。ファミレスの方がガヤガヤしてても許されるのでは?10名一緒に座れる場所を確保するのが難しいかな?平日の夕方なら平気な気がするけど。
そんな花井に話しかけようとする三橋。三橋に気付かない花井。気付いてくれた泉が花井とトンと叩いて花井に気付かせる。
ここの泉君いいよね。9組で同じクラスだからなのかだいぶ三橋のことをわかってくれてきた感じ
花井「へ?あ…オレに話しかけてんの?」何
三橋「オ、オ、オ、オレ、オレオレ、オレん家で」
花井「お前の家で勉強するってこと?いいけど、みんな入れるのか?」
三橋の家と聞いて花井の後ろでウキウキしてる水谷・泉・栄口・西広・沖の5名がかわいいw友達の家に行くってちょっとわくわくするよね!
花井は「10人だぞ10人〜。どんなデカい家…」と言いかかけて、三橋の家が金持ちだということを思い出してハッとする。
そうです、三橋のおじいちゃんは三星学園の理事長を務めてる程の人ですから!三橋の家はお金持ちなんですっ!!「三橋んち行ってみてー!」と楽しそうにしてる泉・水谷・栄口がかわいい。10人が入って勉強できるほどデカい部屋がある家ってことだからね、どんな豪邸なのか期待!
三橋は内心『誕生日に人をうちに呼んじゃった。はじめてだ。…だましてるわけじゃ、ないよね』とドキドキしている。三橋の家に早く行きたい田島は「はやく着替えろーっ」と三橋の頭をポクポク叩いている。
三橋にじゃれる田島かわいいー!この2人が仲良くしてるのを見るの微笑ましくて私はスキだ。かわいいやつら。

三橋家に到着する西浦ーぜ。田島は「うちから近いよ!今度抜け道教えてやる!」と三橋に話しかけている
はいここ!三橋と田島が仲良くしてるのを見るのが私はスキだw(大事なことなので2回…以下略)
みんなが三橋の家に入っていく中で阿部は"何か"に気付いて一瞬立ち止まる。が、泉に呼ばれて三橋家の玄関へ。三橋家の色んなドアを勝手に開けたりしてウロチョロする田島。それを窘める泉。
9組メンバーはかなり仲良くなってる感じあるねえ!いいねえ!自由奔放な田島の手綱を握ってる泉君いいねえ!9組メン好きだ!
三橋の部屋は2階。田島曰く「かわええ部屋」だそう。どうやら三橋が群馬に住んでた3年間は客間として使われていたそうで、親が勝手に壁紙とかかわいく改造しちゃったとのこと。栄口は「…わかるよ」と答える。
三橋の家はログハウス(?)なのかな?なんか、キャンプ場とか別荘地とかによくあるような、木材を組み上げてできてる感じの家です。オシャレだ。
ところでなんで栄口は親に勝手に部屋改造された三橋に同感してるんだろ?勝手に壁紙替えられたことあるのかな?どういう理由で?

花井は三橋の机の上にほこりが積もってるのを見て、「お前ベッドでしか生活してないな、なんで時間割を揃えてる形跡すらねえの?」と疑問を口にする。それに対して泉が「こいつら(田島と三橋)教室の机満杯だもん」と答える。ドン引きする花井。
え、教科書を学校の机に置きっぱなしにするのってそんなドン引きするもん?花井は律儀に毎日持ち帰るの?
私が学生の頃は宿題がでてたり自主勉強するつもりの教科以外は持って帰らずに学校に置いてたよ。っていうか教室の近くに個人用のロッカーがあって皆そこに色々教科書とか荷物入れてた。西浦は個人用のロッカーってないのかな。もしかして公立校って個人用ロッカーなんてない?私が通ってた学校が小規模な私立学校だったからできたことなのかな?そういや2クラスしかなかったしな〜。学生数の多い公立校では個人用ロッカーなんてないのかな。そしたら机の中なんて容量かなり限られてるし、基本的にはみんな毎日持ち帰るしかない?それってかなり大変じゃない?
気を取り直して、さっそく勉強を始めるよう声掛けする花井。花井は英語を教えて、阿部が数学を教えるらしい。で、全教科できない三橋と田島は西広が面倒をみる。西広はわざわざ試験のためには勉強しないという強者で、なんでもできるんだとか。
阿部が数学得意っていうのはスゲー納得!めっちゃそれっぽいよね(笑)逆にこの人現国とか古典は苦手そう。情緒がまだ充分に育ってないからね、阿部君は。"をかし"とか"もののあはれ"とか微塵も分からなさそうw
西広先生、野球部で毎日キツい訓練こなしてるのに、試験勉強しなくていいレベルで勉強ができるってすごくない!?部活の後に家に帰ってから勉強してるのか?まさか授業受けてるだけで習得できるってこと?どんだけ要領いいんだよっ。
私も学生時代は"試験勉強"というものはしないタイプの人だったんだけど、私のそれは帰宅部で部活やらない代わりに勉強はがんばるって決めて試験が近くなくても毎日放課後は図書館でガリ勉してたから、"試験のための特別な勉強"ではなかったってだけなのよね。授業受けるだけで習得っていうのはムリだわ〜。まして運動部なんて所属してたら勉強する体力残らなかっただろうな。やっぱ西広先生すげーよ。

いざ勉強を開始しようとしたところで、「れ〜〜〜〜〜ん」という声がする。ビクッとなってる泉・栄口・水谷・巣山・阿部。沖は「なんか鳴いてる」と言う。「鳥?」という泉・栄口・田島。鳥だと勘違いしたそれの正体はなんと三橋の母親の声。
鳥に間違われる声ってどんなんだよwと思った方、ぜひおお振りのアニメを見てみてください!アニメの三橋母、ガチで鳥の声かと勘違いするような高い声で三橋を呼んでたw私は『これは確かに鳥ww』と思ったw
花井は「あ、マズイ?」と焦る。沖は玄関で靴を脱ぎ散らかしてることを心配してる。
三橋「大丈夫!言ってある!みんなやってて!」
部屋を出て母親のもとへ行く三橋。何を思ったか三橋を追ってタッと駆けていく田島。
泉「あっ。ちぃ、逃がした。つかまえてくる。」
花井「え、泉、いいよ!ちょっと!」
止める花井の言葉も聞かずに、泉まで1階に降りていく。そんな泉を追って今度は花井まで部屋を出ていく。
田島はなんで三橋を追いかけたんだよ(笑)三橋の母ちゃんを見てみたかったのか?そんで田島を捕まえにいく泉君はなんかまるで田島の飼い主みたいでちょっとオモロイ。そんで結局自分まで降りてっちゃう花井もさ、キミが英語を教えることになってんだろ?それじゃ勉強会が成り立たないじゃないか。
三橋母は野球部員が家に来ると聞いて仕事をわざわざ抜けて帰ってきたらしい。ケーキとケンタとスイカを買ってきたという三橋母。さらには寿司も注文したと言う。「スイカはフルーツポンチにしてあげるね!足りなかったらピザ頼も!」となぜか1人で盛り上がって豪勢な料理を用意する母親に対して「なんで!?」と戸惑う三橋。三橋母は野球部員が三橋の家に来た理由を三橋の"誕生日会"のためだと勘違いしていた。三橋が青ざめてすぐに否定しようとしたが、聞き耳を立てていた田島が話に割って入る。
田島「三橋誕生日なの?」
三橋「!!!」
三橋母「うんそうなの」
三橋「ゆわないで!!」
母親を止める三橋。たが、田島を追ってきていた泉にもそれを聞かれる。なぜか水谷も1階まで降りてきている。青ざめて涙目になりながら慌てる三橋。三橋母はそこで初めて"誕生日会"ではないことに気付く。続いて栄口も阿部も降りてきていて、三橋が誕生日だということが野球部員にどんどん広まる。これではまるで三橋が自分の誕生日のために自分でサプライズパーティをプロデュースしたかのように思われてしまいかねない状態。母親の勘違いでおかしな状況になってしまった三橋は『どうしよう、みんなオレのためにきたんじゃないのに…っ』と涙目。
これは三橋が可哀想だよママン!笑ってる場合じゃないよ!いや、三橋母は良かれと思って用意してくれたんだけども…、せめて自分が勝手に誕生日会だと勘違いしてしまったんだと野球部員に釈明してくれェ。読んでるこっちがいたたまれない気持ちになるっ!
花井・阿部・栄口は『誕生日だから積極的だったのか』、『どうして言わねえんだ』、『こいつの過去考えりゃ分かる気もするけどさ』と考えて、この状況に戸惑っている様子。なんとなく気まずい雰囲気になりかけたところ…
田島「じゃあ歌うたおうぜ!ろうそくつけてみんなでお祝いしようぜ!」
無垢な笑顔で提案する田島。
田島「そんでケーキ食おうぜ!寿司もケンタも食おうぜ〜!!」
田島の提案に乗って「おおーそうしよそうしよ」と盛り上がる泉と水谷。栄口は三橋母が買ってきた食べ物を「運んでいいすか」と積極的に動く。田島と泉と水谷はケーキをきゃっきゃっと喜びながら運んでいく。
た、た、田島様〜〜〜!!さすがです!!
田島様のおかげで一瞬気まずくなりかけた空気が一変して楽しいお祝いムードになりました!ありがとう田島様!!これはもう田島に惚れる。ムードメーカーってこういう人のことをいうんでしょうね。田島って本当にイイ子だよねえ!
三橋はみんなが自分の誕生日お祝いしてくれると聞いてボロボロと泣きながら母親に食べ物を用意してくれたことを感謝する。
はわ〜、三橋もいい子だわぁ。母親の勘違いのせいで一時的とはいえ気まずい雰囲気になりかけたのに、そのことを怒るどころか、むしろ「ありがとう」って言えるなんて。結果としてお祝いしてもらえることになったからそう言えるって側面もあるかもしれないけど。いやでも私だったら母親に一言苦言を呈する気がする…。
花井は三橋母に一緒に食事をするように誘う。「いいの?」と戸惑う三橋母。花井は「もちろんスよ!オレらのがお邪魔してんスから!」とぱっとしたさわやかな笑顔で答える。「いい子ねぇ〜」と感心する三橋母。花井がキャプテンであることを母親に自慢げに伝える三橋。
なんで三橋が自慢げなんだw

部屋を暗くしてケーキにたてたろうそくに火をつける西浦ーぜ。バースデーソングをみんなで歌う。みんな楽しそうな、嬉しそうな満面の笑顔。三橋は喜びで頬を赤く染めている。みんなが歌い終わると三橋はろうそくの火をフーッと吹き消す。ごちそうを目の前にしてよだれを垂らす西浦ーぜ、「いっただっきまーす!」と食べ始める。
ここ!泉君がは三橋とグラスを合わせて乾杯してる…!9組はホント仲いいなー!微笑ましいな!
泉が「もしかしてこの中で三橋が一番年上か?」と口にすると、栄口が「巣山4月だろ」と答える。花井も4月生まれらしい。
田島「祝わないで過ぎちゃったな!」
三橋「あっ、あ!今…あの!2人も歌……ろうろく、同じ歳…だから」
水谷「そっか!んじゃもっかい火ィつけて!」
水谷は三橋が2人の分も今お祝いしようと言っていることを察したらしい!すげー水谷、よくわかったな!三橋語を理解できるのは田島と栄口と泉っていうイメージだったけど、水谷もイケるのね。
再度ろうろくに火をつけて巣山の誕生日を祝う西浦ーぜ。次は「花井な!」という田島。花井は「オレはいーよ!」と恥ずかしがる。
このシーン、お吸い物を持りにいった三橋母をサラリと手伝う花井がとてもかっこいい。さすがキャプテンに指名されるだけあるなァ。初登場の時はモモカンに「女監督なんてありえない」って言ったり投球を見せた三橋に「おせー」とか遠慮なく言ったり、ちょっと性格がキツいというか割とヤなヤツだなって印象だったけど、花井変わったよね〜。

阿部は三橋の部屋の窓から外を見て、そして三橋を呼ぶ。そこから見えるのは三橋家の投球練習場。ネットのところに的が作ってある。阿部は三橋に「近くで見してよ」と言う。「ひえっ」と顔を赤くする三橋。
阿部「え、ダメ?」
三橋「ダ…メじゃない……けど、見ても、がっかりする……」
阿部「しねェよバーカ。そうだみんなにも見せとこ」
阿部君、口は悪いけど、なんか"バーカ"に愛を感じるなァ(*`▽´*)
阿部はみんなに食べ終わったら庭に行こうと提案する。
阿部『ここにいるヤツラは誰も三橋をダメな投手だとは思ってない。だけどこいつはそんな控えめな評価じゃ足りねえ投手なんだ。そのことをきちんとチームメイトにわからせとかねェとな!』
うおー!阿部が三橋のために動いてるっ!
初対面の時は『お前はオレのリードがなきゃただ球が遅いだけの投手だ。自分の力のなさを覚えておけよ』とか内心思っていたあの阿部隆也が!こいつも変わったよねえ〜。
そうだよな!なんてったって9分割のコントロールだもんな!しかも3種類の変化球(つかまだ未完成だけど実は4種類目もある)。三橋は"ダメピじゃない"なんてそんな控え目な評価じゃ足りねえよなァ!チームメイトには、自分らのとこの投手はスゲエ投手なんだってことをちゃんとわかっててもらわないとダメだよな!チームメイトが投手を信じてくれなきゃ、勝てる試合も落とすよな!あ、これ、中学時代の三星のヤツラに言ってやりたい。
てかね、すでにおお振りの最新話まで読み終わってる私、この辺りのことで思ってることがあるんだ。
※注意:先の巻のネタバレをこの下に書きます※
秋大県大会で千朶と戦って負けた後、花井は「最初の方は西浦が優勢だったのに、正直それでも勝てる気がしなかった。オレたち全員勝ちを信じられるメンタルの強さを手に入れなきゃいけない。田島と三橋は千朶に入っても見劣りしないメンタルの強さを持ってる。」っていう趣旨のことをいうんだよ。実際さ、田島と三橋は千朶相手だからって"負けてしかたない"とは思ってなかったと思うんだ。(阿部は途中から三橋が調子崩したの知ってるからこの日負けがこんできても悔しがらなかったのはしかたないと思ってる。)
んでさ、その時に私は『花井はもっと三橋を信じてほしいな』って思ったんだよね。花井に限った話じゃないのかもしれないけど、なんかさ、『三橋はスゲエ投手なのになんで花井は勝てる気がしなかったの?三橋の力を信じられないの?』って思っちゃった。だってさ三橋は千朶戦の途中から調子を崩し始めてしまったけど、序盤は絶好調だったんだよ。投手が絶好調で、本気で勝つ気で挑んでて、実際その時点では優勢だったのに、その時点ですらも勝てる気がしなかったっていうのは『三橋の力を信じる気持ちが薄いんじゃないか?』って思っちゃった。いや、勝負は投手の力だけで決まるもんじゃないから投手への信頼の気持ちの薄さ"だけ"が勝ちを信じられなかった理由ではないというのはわかる。投手だけじゃなくて、きっと自分たちチームの攻撃力(バッティング力)とか総合的に信じきれなかったんだろうというのはわかるの。
でもさ、秋大地区予選で武蔵野第一と戦った時に、武蔵野第一の一年生選手たちは『榛名さんが投手やってて、この投手(※三橋のこと)相手に負けちゃダメだろ』みたいなことを思ってるシーンがあったんだよ。その時に今武蔵野第一の一年生たちは榛名に惹かれて武蔵野第一に入った子たちばかりで、榛名の力をすごい信じてて、それが自分たちは負けないっていう自信になってるんだなって感じたんだ。
で、千朶戦の後の花井の言葉を聞いた時にこのシーンを思い出して、はたして西浦のチームメイトは三橋に対して武蔵野第一のそれと同じレベルの信頼を三橋に寄せてるかって考えてみた時に、田島&阿部以外のメンバーは全然足りてないよねって思ったんだよ。それがすごく悲しいなって思ったの。私は9分割のコントロールに4種類目の変化球までものにしてみせた三橋は本当にすごい投手だって思ってんだけど、西浦のチームメイト(田島&阿部は除外)はまだまだ三橋のすごさをわかってくれてないなって思った。逆に田島と阿部は三橋のことをそれくらい高く評価してて、三橋が投手で勝てるって本気で信じてくれてると思うの。
今後、西浦のチームメイト(田島&阿部以外)にはもっともっともーっと三橋の実力を信じられるようになっていってもらいたいな。
※ネタバレここまで※

三橋の庭に降りてきた西浦ーぜ、三橋家の投球練習場を見学する。的当てをやりたがる田島。阿部は田島を制して、まずは三橋にやってみせてくれと依頼する。ストライクゾーンに1球投球する三橋。
阿部「三橋、狙うところ指示していい?」
コクっと頷く三橋。花井は『狙うとこ?ってあの"的"じゃねえのか?』と疑問に思う。
阿部「左上!」
ここで花井は『あっ、9分割か――!』と三橋のコントロール能力のことを思い出す。実際に左上に当てる三橋。
阿部「右下」
右下にボールが当たる。
「右上」
右上にボールが当たる。
花井『うわあ、区切ってあるとハッキリわかる』
巣山『マジで9分割なんだ』
泉『ビビるぜ』

そーだよねえ、捕手やってる阿部以外は三橋の9分割のコントロールの件は話には聞いていても実感する機会はこれまでなかっただろうからね。改めて真の当たりにするとビビるよなあ。
阿部「田島、マネできるか」
田島「努力の賜物だろ。マネはできないよ。」
三橋に駆け寄る田島。
田島「みはし〜〜い、行こうな!甲子園!」
ここ、田島は三橋のこれまでのものすごい努力をわかってくれていて、そんな三橋の努力を実らせてやりたいって思ってくれたんだと思うんだ。だから甲子園行こうってセリフが出てきたんだと思うんだ。その田島の気持ちが私はとても嬉しくて泣いた。
三橋「行き、たい!!」
栄口も言ってるけど、野球部初対面の時に「甲子園ムリです」って言ってた三橋が今は「甲子園に行きたい」と言えるようになったの、すごく感慨深い。
三橋はGW合宿の時には『阿部君に何を言っても呆れられそうで何も喋れない』と思っていて、それはきっと阿部に対してだけじゃなくて他のみんなに対してそうだった。でも三星戦の前に阿部から「投手としてじゃなくてもオレはお前がスキだよ。だってお前がんばってんだもん!」と言ってもらえたことで、そこで初めて「オレ、勝ちたい」って自分の本心を話せた。それはこの人には本心を見せても呆れられないんだと思えたからできるようになったことで、今、阿部だけじゃなくて他のチームメイト全員がいる前でも本心を言えたっていうのは、三橋が阿部以外のチームメイトのことも信用したってことだと思う。そう考えるとこの一ヶ月半でチームの絆が深まったことがわかってなんかすごく感動。

阿部は初対面の時、三橋の弱気は変えられないと思ってたし、オレのサインにさえ首を振らなきゃ性格なんてどうでもいいと思ってた。『オレがオレの野球をやれればいい』なんてつまらないことを考えていた。
阿部『そんなつまらないことどうして思っていたんだろう』
当時の自分を反省する阿部。
阿部『こいつの努力、全部活かしてやりたい。三橋を勝たせたい!』
阿部君も変わったよねえ。
わかるよ。三橋の努力、全部活かしてやりてえよな!勝たせてやりてえよな!阿部君、三橋を頼むぜ!
『そのためにはまずは赤点回避だ』と三橋の首根っこをつかまえて引っ張る阿部。
阿部「的当ては終わり!さー勉強勉強!」

翌日以降も図書館で勉強したり、三橋は家で母から教わったりとちゃんと勉強して試験の結果は良くはないけど無事赤点回避。田島も三橋もモモカンに頭を撫でられる。

6月夏大抽選会
周りの野球部のデカさにビビる栄口。「オレたち全員1年なんだから当たりまえだろ」と大声で言う田島。周りから注目を集める。緊張でおなか痛くなった栄口は「先に入場させてもらてもいい?」と訊く。三橋もおしっこがしたいらしい。
このコマ、「神経性の下痢なんざ情けねえなあ」といってる阿部の顔がスキ。そして辛辣なセリフに笑ったw

トイレで用を足しおわった三橋に栄口が「みはしーーー紙がなくなった。その辺にないか?」と個室から声をかける。しかしいくら探してもない。
栄口「他の便所から持ってきてくんねーかな」
三橋「わかった!まってて!」
トイレから駆け出した三橋、榛名とぶつかる。
榛名「あぶねーなこら!駆け込んでくるなら許してやるけど走って出てくるたぁ…」
秋丸が榛名を止める。誰かに三橋が起こられてることに気付いて個室の中で動揺する栄口。
秋丸「相手みろって」
しゃがみこんでブルブル震える三橋。
榛名はケガさせたんじゃないかと心配になり三橋の右手を引っ張って身体を持ち上げる。
榛名「オイ!大丈夫か」
三橋「だいっ」
榛名「あっそ、もうトイレで走っちゃだめだぞー」
そこに阿部から電話がかかってくる。
三橋「阿部君!榛名さんイイ人だよ!」
榛名、三橋の方に駆け寄り「何オレのこと知ってんの?」と怖い笑顔。
榛名「阿部って誰?」
なんで阿部っていわれて阿部隆也だと分からないんだ?普段はタカヤって呼んでるから?でも一年間一緒にいて野球場のボード上には阿部って名字で表示されるんだから名字くらい知ってるだろ?阿部って名前が珍しくないからか?
栄口「阿部隆也ですよ。榛名さんとシニアで一緒だった阿部隆也です。オレたち今同じチームなんです。」
榛名「なァ西浦のピッチャーってどんなタイプ?今日来てる?」
三橋は自分を指さす。「お前?」と目を合わせる榛名と三橋。
三橋をじ〜いと見つめる榛名。ニンマリと笑って『勝った!』と内心思う。
榛名「お互い頑張ろうな」

見下されてることにも気付かずに『いい人だ』と思う三橋。
ふざけんなよ、この性悪やろうめ。三橋大好きなわたしは黙ってないぞ。阿部の言葉を借りるなら、ノーコン速球派は試合に出るなよな!選手にデッドボール当たったらどうすんだ。プンプン。
ここで栄口が「三橋、紙〜〜」と催促。それを聞いて秋丸が隣の女子トイレからトイレットペーパーをもらってくる。

会場に入ると花井が手をあげて栄口と三橋と呼ぶ。「なーな何時から?」待てない田島。「もうそろそろだろ」と花井が言うと急に曲が流れ始める。「栄光は君に輝く」という高校野球の曲らしい。
すまん、私高校野球詳しくなくてよくわからんw
三橋「高校野球だ!」
三橋は興奮して顔を赤らめている。他メンバーも笑顔で期待に胸を膨らませている表情。(花井だけ緊張してる面持ちw)

<第10回終了>