おおきく振りかぶって 原作漫画感想 1巻 <第2回>
<第2回 / あらすじと感想>
高層ビルの窓掃除のアルバイトをしているモモカン。バイトで稼いだお金を何に使うか検討中。『野球部のために稼いだお金を野球部のために使える幸せ』を噛みしめて満面の笑顔。掃除道具にはどうやらナマリ5キロ仕込んで腕力鍛えてるっぽいです。
でも高層ビルの窓掃除に使う道具にナマリなんて仕込んだら危なくないか?うっかり手を滑らせて地上に落下させたら大惨事になる可能性も…。
バイトが終わって元気に挨拶して帰るモモカン。『明日から合宿だあ』とウキウキです。
そして始まりました合宿1日目。合宿所に向かうバスの中で田島が「昨日オ○ニーするの忘れた」と大声で問題発言。ぎょっとする栄口・巣山・泉・水谷。マネジの篠岡はオ○ニーがなんのことかわからないのか「え?何か忘れもの?買えるものなら今のうちに」と。田島を押さえつけて「なんも!平気!」と答える水谷と栄口。
素朴な疑問なんだけど、高校一年生女子ってオ○ニーって言葉知らないものなのかな?私がこの単語を知ったのは何歳の時だったかな…?あとめっちゃ興味本位なんだけど、男子って何歳からオナニーするようになるの?田島曰く一週間も溜めたら破裂するらしいけどそんな短期間でやらなきゃまずいもんなの?
あとこの時の篠岡黒髪ですね。なんかいつもの髪色はは水谷みたいな色のトーン張ってあるのになんでここだけ?なんかこの篠岡、篠岡に見えない…。
大声でおバカ発言をする田島をみて呆れてる花井と阿部。
「あいつってマジで強いシニアの4番売ってたの?この間の3打席勝負、田島を避けてオレと勝負したのはオレになら確実に勝てるから…かな?」と気まずそうに問う花井。「やあまあ花井もいいセンスしてるって」とこちらも気まずそうに答える阿部。「フォローするつもりないよな〜」と凹む花井。
まあ、阿部は花井を攻略できる自信があって指名したわけで、そんで実際勝ったわけで、花井の言ったことが事実なわけで、阿部がその辺うまくごまかせるとか言えるわけないというか、そういう気を遣う男じゃないわけで…w
と、ここでシガポが阿部に話しかけに来る。「三橋が車酔いしちゃったから薬見て様子を見ててくれ」と。阿部あからさまに嫌そうに「え、オレすか」と答えるが「バッテリーなんだから投手を介抱してやれよ」とシガポに諭されて渋々三橋のもとへいく。阿部は『会って二週間のやつと一心同体なわけないだろ〜。つーか三橋とそんな風に打ち解ける日が来るかなァ。こいつメンドクサイんだもん』と内心ヒドいことを考えてる。
すでに原作最新話まで読み終わってる私としては、捕手に目覚めた後の阿部の三橋への献身っぷりを知ってるだけにこの頃のまるで"捕手をわかってない"阿部君は新鮮。っていうかこの頃の阿部はスゲーヤな奴に見えちゃうな。この頃は三橋のことメンドクサイとか思ってたんだねぇ。
内心ひでえことを考えながらも表面上は三橋に優しく薬を渡す阿部。三橋は以前モモカンに性格変えなきゃマウンド登らせないと言われたことを気に病んで最近眠れない様子。その説明をしながらベソをかく三橋を見てイライラする阿部。『理想のエースだから、オレは性格には目をつぶる』と考えながら溜息をつく阿部を見てた三橋は『阿部君もオレの性格イヤなんだ。なんとかしなくちゃピッチャー降ろされちゃう…!』と青ざめる。
合宿所に到着するとそこは一体築何十年ですかと問いたくなるような木造の古い建物。この古い建物で合宿開始する前にまずはみんなで掃除をすることに。みんなキビキビ動く中で1人動けないでいる三橋。
三橋ー!わかるっ、わかるよ!私もそういうタイプです。みんなで掃除して〜と抽象的なこと言われてもどこから始めていいのか?役割分担はどうするのか?とか分からなくて動けないタイプ。まだ出会って数週間しかたってない気心知れないメンバーの中だと余計そうなる。誰がどんな人で何が得意かわからないもん。
掃除が終わった後は皆で夕食の山菜採り…なんだけど阿部と三橋は別メニューでグラウンドへ。キャッチボールで肩を温めるモモカンと三橋。その間に犬のアイちゃんの散歩をする阿部。
ところでなんでここのシーンの阿部、頬染めてるの?犬好きなの?
ここで三橋の球速の話に。MAX101キロと答える三橋にどばっと笑うモモカン。笑われてショックを受ける三橋とモモカンがこれからやろうとしていることを敏感に察知して不服そうな顔の阿部。
阿部「三橋にはスピード不足を補うコントロールがあります!」
と反論する。阿部君が庇ってくれて嬉しそうな三橋。モモカンは角材の上でワインドアップをするように三橋に指示する。三橋が軸足割と安定してると思ったのも束の間、左足を上げた途端にグラついて転んでしまう三橋。心配して三橋に駆け寄ってしゃがむ阿部。三橋の体幹の無さを笑うモモカン。
ここで三橋に駆け寄ってしゃがんで三橋を気遣う阿部隆也がすごく好きです。
モモカンは体幹が弱い三橋がコントロールがいいのは全力投球してないからだと指摘する。「してます…」と答えた三橋にスピードガンを手渡すモモカン。モモカンの投球の球速を測ると122キロ。「凄い!!!速いいいい!!!」と感激する三橋。モモカンは「自分と三橋で体形そう変わらないんだから三橋だってこのくらい投げられる」と鼓舞する。嬉しそうな三橋とは裏腹に「チッ」と舌打ちする阿部。モモカンは三橋に全力投球をさせるために5kgのダンベルを持たせ、そのまま投球するように指示する。マウンドに向かう三橋。あからさまに不満そうな態度が出てる阿部にモモカンは「球威上げるのがいけないこと?コントロールと変化球だけで何回戦までいけるの?」と話しかける。
阿部「行けます。どこまででも」
モモカン「"オレがリードしてやれば"?」
モモカンに揶揄されてカチンッときた阿部が振り返るとモモカンから額をツンとつつかれる。
モモカン「阿部君は捕手をわかってないね」
阿部「……っっ」
つつかれた額を抑えながら青ざめる阿部。
一方三橋はダンベルを持った状態で投球することで全力投球を体感する。コントロールが効かなくて暴投だったものの球速は111キロと10キロアップ。モモカンは「将来的には130キロ台を投げられるよ!」と笑顔。嬉しそうにする三橋だが、阿部は「こんなノーコン使えねェよ!」とブチ切れ状態。三橋は「球威もコントロールもある投手になれるようにがんばる」と言うが、阿部は「9分割のストライクゾーンに130キロで投げ分けられるわけがない」と主張。
阿部「スピードは才能だけど、コントロールは努力です。こいつがどんだけ努力してきたか、あのコントロールがどれだけ貴重か考えてくださいよ!」
三橋のコントロールの貴重さをモモカンに訴える阿部。
※注意:以下におお振り37巻までのネタバレを含む感想を書きます※
実際のところどうなんですかねェ。最新刊まで読むと三橋はどうやら120キロ台で9分割の制球力を身に着けたようだけど130キロ台までいくとさすがに厳しいのかな?たしか23巻(?)で榛名さんは「速球派にはなれなくても、130キロ台投げられるようになったらおもしれえ投手になるんじゃねえの」って評価してたし、西浦が甲子園優勝をするなら三橋が130キロ台で9分割のコントロールできるくらい、明らかな"すごい投手"にならなきゃ正直甲子園優勝できるイメージ湧かないけど。
※ネタバレここまで※
モモカン「体幹は鍛えてもいいでしょ?」
阿部「それは……」
とりあえず、球威130キロ台を目指すかどうかは一旦置いておいて、体幹は鍛えることで合意した模様。モモカンは三橋に5時まで角材ワインドアップの練習をしておくように指示して先に帰る。阿部は「お前にスピードは必要ないって」と三橋の説得を試みるが三橋は「速い球投げたい!と答える。阿部は「お前のために言ってんのに」と不機嫌。」三橋は意にも介さず角材ワインドアップの練習を始める。
阿部「シカトかよ!おとなしそうにしてたってやっぱり投手だ!我が強くて傷つきやすい!チームメイトでもなけりゃ絶対つき合わねえぞ!!投手なんかヤなヤツばっかだ!!」
阿部の投手不信は榛名が原因なのは知ってるけど、榛名と三橋以外の投手は知ってるんだろうか?そいつも"ヤなヤツ"だったのか?そういや榛名が引退した後はきっと同学年の投手と組んでたよね?そいつの話題はこれまで微塵も上がったことがないけど、そいつとも上手くやれなかったんかな〜。
そして、三橋が5時まで角材ワインドアップの練習してる間は阿部は何をして過ごしていたのか素朴な疑問。
場面切り替わって、合宿所。他メンバーが摘んできた山菜を天ぷらにして夕ご飯を作ってる。
自分で採ったフキを愛でる栄口がかわいくておもしろいw
つまみ食いしようとした田島を止めるシガポ。ここで3つの脳内ホルモン(チロトロピン、コルチコトロピン、ドーパミン)についての講義が始まる。講義の途中で帰ってくる阿部と三橋。毎回食事の際に3つの脳内ホルモンを働かせることで脳神経を鍛えて普段から3つのホルモンが活発に働く脳にするとのこと…で、ここで今後西浦ーぜ恒例となる「うまそう!」が登場。
出来上がったホカホカの夕食を目の前にして顔を赤くしてるみんながかわいい。普段クールぶってるあの阿部君までもが頬を染めてます。ここのシーンの山菜天ぷらマジでうまそうなんだよなー。みんなすごい良い顔して食べてます。メシ食ってる阿部君年相応な感じが出ててかわいいな、おい。いいな、食べたいな、山菜の天ぷらって自炊以外だとどこで食べられる?スーパーの総菜コーナーとかにあったりする?
場面切り替わって寝室。泉君がタオルで髪吹いてるので多分風呂上り?この寝室に全員分のフトンを敷くスペースがないと気付く泉。シガポは「男女の仲は寝てみて初めて深くなるから、皆も毎日違う相手と一晩ずつ同じ布団で寝るように」と言い出し、「ふざけんなーっ!余計いやんなったーっ!」と部員からブーイングで枕がシガポに飛んでいく。これを発端にマクラ投げ始まり皆がはしゃぐ中1人部屋の端っこで体育座りしている三橋。三橋を気遣うシガポだが、眠れてないなんて言ったら性格直せと指摘されると考える三橋は大丈夫だと誤魔化す。
場面切り替わって1人でミットの手入れをしている阿部にモモカンが近づく。昼間の件でモモカンに不信感を抱いている阿部はそそくさとその場を去ろうとするが、モモカンは構わず話しかける。「田島、花井に次いで阿部が3人目になってくれればウチは…」と言うモモカンに対して阿部は「ムリだと思います。オレは捕手をわかってないんでしょ?」と完全に不貞腐れている阿部。
モモカン「これからわかるって」
阿部「わかってないつもりはないです!オレと監督は目指すタイプが違うんじゃないスかね!?」
モモカン「そんな話してないよお」
阿部「じゃあなんの話スか!?イミわかんねェよ…」
とここでモモカンが阿部の右手をぎゅっと握る。
モモカン「大丈夫、わかるよ」
突然手を握られて狼狽える阿部。
モモカン「わかる!」
頬を赤く染めてタジタジの阿部。阿部をキリッとした眼差しで見つめるモモカン。手がホカホカになっていく。
阿部「……どーすりゃ…いんすかっ」
折れた阿部、さっきまでの不貞腐れた態度から一変、真っ赤な顔を横に背けてモモカンに問う。ニイっと笑うモモカン、阿部の手を放す。
モモカン「私のしたこと、三橋君にしてごらん。イロイロなことがわかるよ」
場面切り替わって、夜中、みんなが眠る中、1人眠れないでいる三橋。
ちょ…っ!ここ!三橋の隣で寝てるの阿部隆也だ!2人で同じお布団だ〜!!
場面切り替わって合宿の4日目、全力投球でのコントロールを身に着けるために投球練習する三橋。翌日はついに三星学園との練習試合。三星の投手についての話題になる。フォークが決め球の叶だが、中学時代捕手の畠は叶のフォークをうまく捕れなくて部活後に居残り練習していたことを思い出す三橋。それを知っててなおマウンドを譲らなかったことで自責の念に駆られて目に涙を浮かべる三橋。そんな三橋の様子を無言で見てる阿部。
この時の阿部君はどういう感情で三橋を見ているんでしょうか。モモカンから捕手をわかるためには三橋の手を握ってみろと言われたから三橋のことを気にかけているってことかな?
場面切り替わって、合宿所、食休みの終わり。モモカンが周辺視野と瞬間視を磨くためのパネルを用意する。7.9秒という驚異的なタイムを披露する田島。他のメンバーも2人一組でトライしてタイムが良かった順番に明日の試合の打順が決まることに。
ちなみに私はスマホアプリで同様のゲームやってみましたが最高で11秒台でした。しかしそれはタッチした数字は消える設定でやった結果なので、タッチした数字が消えないパネルでやったらもっとタイムは遅いと思います。これ、実際にやってみるといかに田島がスゴイかわかります。
三橋とペアを組むのはもちろん阿部(他は花井&水谷、沖&西広、巣山&田島、泉&栄口っぽい)。しかし連日寝不足の三橋はボケッとしてて阿部に話しかけられたことにすら気付かない状態。阿部は三橋が眠れてるか心配して声をかけたのだが、三橋は分かりやすくウソを吐いてすぐに阿部にそれを見破られる。阿部はどうやらモモカンに三橋のこと言われたからがんばって三橋に話しかけてるらしいが、三橋との距離が縮まらなくて焦れてるらしい。「もう合宿も4日目なのに近づいた感じがしない。お前話しかけてもまともに返事もないし、心配してるのにウソ言うし。」と本人に愚痴ってしまう。それを聞いた三橋はフルフルと震えて泣き始める。阿部は青ざめながら「これじゃオレがイジメてるみたいだろお〜」と冷や汗をかく。苛立つ阿部は「明日は全力投球しないでサイン通りに投げてくれよな。でなきゃ負けるぞ。」と言い放って去っていく。
阿部は阿部なりに頑張ってるんだろうけど、この阿部君はさすがに怖いっすよ。「でなきゃ負けるぞ」って言い放って去っていくのとか、すげー冷たいし圧感じる。この頃の阿部はまだ"捕手をわかってない"状態だからこうなんだけど、なんか三橋のことあんまりよく思ってないのが目に見えてわかるからさ、そりゃ距離なんて縮まらないよ。
三橋『何言っても呆れられそうで怖くて何も喋れない。阿部君に嫌われるのが怖い。もしここでもサイン出してもらえなくなったら一大決心して三星を出たイミがナイ!』
み、み、みはしぃ〜!そうだよね、投手が捕手に嫌われてサイン出してもらえないなんてすごくつらかったよね。捕手もその他の守備についてるメンバーも皆が自分を嫌ってて、マウンドに1人きりで敵チームと勝負しなきゃいけなかった三橋の中学時代を想像すると、やばい、つらい、泣く。三橋は四面楚歌の状態で1人きりでマウンドで戦ってきたんだ。
翌日、三星学園との練習試合。三星学園に到着した西浦野球部。自分を嫌っていた元チームメイトたちみんないるんだろうなと考えて真っ青になる三橋。
【打順】
1番:栄口(順位4位)、2番:沖(順位6位)、3番:阿部(順位7位)、4番:田島(順位1位)、5番:花井(順位2位)、6番:巣山(順位3位)、7番:泉(順位5位)、8番:水谷(順位8位)、9番:三橋(順位10位)
初陣だけど三橋以外は皆特に緊張してない様子。一方の三橋はビビりまくって三橋とは思えないヒドいコントロール。いつチームメイトの皆が現れるか気が気でないといった様子。そこについに三星のメンバーが現れる。叶が三橋を見つけて「おー」と手を振るが、三橋はピューッと逃げていってしまう。
畠が「叶どした」
叶「三橋がいたんだ」
畠「なに、どこ」
叶「部室棟の方走ってった」
私はね!この時の叶にすっごく腹が立つんですよ!!畠が三橋のこと毛嫌いしてることなんて、叶は絶対知ってるはずだろ!?その畠が三橋がどこ行ったか聞いてわざわざ追っかけて行ったってことはさ、畠が三橋に酷いこと言うだろうってことくらい簡単に察しがつくよね!?三橋の味方だっていうなら、三橋を追いかけようとする畠を止めろよ!自分だけは三橋の味方ですってスタンス掲げてる割に遠回しに加害に加担するのなんなの。叶のそういうところが私は嫌いだよ。叶は中学野球部の中で唯一三橋のことを認めてたらしいけどさ、でも結局は他の部員が三橋にヒドイ態度取ってるのを止めなかったわけじゃん。どっかの巻のオマケページに載ってたけど叶っていわゆる"ガキ大将"だったらしいんだよ。そんな叶が他の部員のこと止められない程弱い立場だったとは思えないんだよね。叶が本気で畠や他部員を止めてたら、三橋のイジメ止められたんじゃないかって思うんだよ。だからさ、結局のところ本気で止めなかったんだろって思っちゃう。三橋は叶君を慕ってるけど、その様子を見てると私はすごく複雑な気持ちです。
草陰に隠れて怯えてる三橋のところに元チームメイトの畠がやってくる。
畠「お前なんでまだ投手やってんの?そいでなんでウチに試合とかしに来てんの!?お前が身内ビイキにアグラかいてエースやって中学の3年間負け続けたことまだ誰も許してねーよ?」
体育座りしてる三橋の左肩のすぐ横の壁にガッと蹴りをいれる畠。
畠「やっぱあん時腕折っときゃよかったか?そんぐらいやんねェとお前にはわかんねェか!?」
体育座りでブルブルと震える三橋。
畠、テメエふざけんなよ、コロす!!ほんとーーーーに腹立つ!!まずね、三橋が投手やってること、畠に文句言われる筋合いねーんだよ!西浦のモモカンがそう決めたんだ、他校の人間が口出しすんじゃねえ。三橋が西浦で投手やってようが辞めてようが、畠が口出すことじゃねーんだよ!
そんで練習試合だって三橋が決めたんじゃなくてモモカンと三星の監督が話をして決まったことであって三橋が責められる謂れはねーよ。
それから中学3年間負け続けたの全部三橋のせいにしてるけど、野球は投手1人でやるスポーツじゃねえだろ!サイン出すのやめて捕手としての役割を放棄したのはお前じゃん。何が許してねえだよ、どの立場でモノを言ってるんだ。逆にこっちがお前を許さねーよ!
そんでさーーー腕折るとか、実際にやらなかったにしても、そんな物騒なことを口にして脅した時点で犯罪だろ、それは。脅迫罪だよね!?実際折らなかったからいいってもんじゃねーぞ。
しかも練習試合前に相手校の投手にこんな暴言浴びせて、身体のすぐ横の壁蹴っ飛ばすってどーなの。もし私がこの場面見てたら即行でモモカンに報告して、モモカンから三星の監督に抗議してもらう。あるいはその場で警察呼ぶかもしれん。
とにかくこのシーンを見てると私は畠に腹が立ってしょうがないんだ。畠コロす!!
ここでさも今三橋を見つけました風を装って登場する阿部。阿部が来たことで去る畠。でも阿部は畠の「腕折る」発言をしっかり聞いていた。
阿部「腕折るってナニ」
ブルブル震えながらえぐえぐ泣きながら何も言わない三橋。
阿部「オイ、マジでんなことされたんなら黙ってちゃダメだぞ!」
三橋は畠は叶にマウンド登らせたくてでも三橋がマウンド降りないからそう言ったと説明する。
阿部「だから腕折るってのか!?」
三橋「やんなかったし…っ、それに畠君は悪くないんだっ。だって叶君のほうがいい投手だしっ、みんなに好かれてるし、オレは嫌われてるし〜〜」
自分をとことん卑下する三橋にイラっとする阿部。でもとにかくこんな状態ではまともに投げられない、このままじゃ試合にならないと悩む阿部。ここでモモカンに三橋の手を握ってみるよう言われたことを思い出す。意を決して三橋の右手を握る阿部。
阿部「大丈夫!お前はいい投手だよ!」
三橋「…う…うう…っウソだあ〜〜」
阿部「いい投手だよ!」
三橋「ウソです〜〜」
阿部「いい投手だって!」
三橋「うそだあ〜〜っ」
何度いい投手だと阿部が伝えてもウソだと否定する三橋。
阿部『こいつなんてガンコな…それにしても冷たい手だな。緊張してるんだな。あ、指先が硬い。マメがタコになってるんだ。シュートのタコ、スライダーのタコ、…こいつはこのタコを作るまで、あのコントロールを身につけるまで一体何球投げたんだろう。こいつはこんなに努力してんのに』
三橋の手を握りながら、三橋がこれまでしてきた努力に思いを馳せる阿部。
阿部『ガンコなんじゃない。自信がないんだ。こんだけ投げても自信持てないんだ。中学のヤツラが自信を根こそぎとってったんだ。こんなに努力してる男を理解しないままチームから追い出したんだ!』
三橋のことを想って目に涙を浮かべる阿部。
私もここは泣かずにはいられない。
阿部が身体を振るわせて泣いていることに気付いて驚く三橋。
阿部「お前はいい投手だよ。投手としてじゃなくてもオレはお前がスキだよ!だってお前がんばってんだもん!!」
阿部『こいつのために何かしてやりたい。こいつの力になりたい!それが捕手か!!』
やっぱここが数あるおお振り名シーンの中でもNo.1だわ。
阿部の心のこもった温かい言葉のおかげで泣き止む三橋。手が温かくなってくる。
三橋「オレがんばってるって…思う?」
阿部「思う」
三橋「オレ、ピッチャースキなんだ」
阿部「わかるよ」
三橋「そう!?阿部君わかる!?」
阿部「うん。わかる」
三橋「そいでオレ、勝ち たい」
阿部「勝てるよ!」
三橋『阿部君あきれない。阿部君はオレのことホントに認めてくれてるんだ』
三橋は天然なところあるけどバカじゃないからね。阿部の言った言葉に心がこもってるかどうかくらいの判断はつくよね。阿部が本心で「いい投手だよ」「投手としてじゃなくてもオレはお前がスキだよ」って言ってくれたのがわかったんだなって思った。それまでの阿部の言葉は上辺だけだったけど、今回のは本心だったから伝わったんだと思うんだ。
それから三橋は投手として認められたいという気持ちはもちろんあるけど、それとは別で投手としてじゃない自分自身の人間性を認めてくれる人が欲しかったんだとも思った。叶君はいい投手なのはもちろんだけど、それだけじゃなくて人としても好かれてたからあれだけ周りから支持を集めてたわけで、三橋はそれがずっと羨ましかったんだ。三橋はチームメイトに嫌われたことで自分の人格に価値を感じられなくなって、それがあの卑屈さを生み出してた。自分に価値がないと感じているから、人と話して価値のない自分を見破られてまた嫌われるのが怖くてうまく喋れなくなったんだ。でも今阿部が「投手としてじゃなくてもスキだ」と言ってくれたおかげで三橋は今初めて阿部に気分の気持ちを言葉にして伝えられたんだ。ってところまで考えて涙が止まらない。うう。
三橋「オレも阿部君がスキだ!!」
三橋が目をキラキラと輝かせて言う。阿部はどうやらビミョーな気分らしい。自分が言うのはいいけど言われるのはビミョーなんだと。ちょっと引いてる様子(笑…これはお前が始めた物語だろ)
立ち上がり三橋の手を引っ張る阿部「さ、行こう」。2人で野球場に戻る三橋と阿部。モモカンは2人が一緒に帰ってきたことを気にかける。西浦のチームメイトは「おかえり(誰か不明)」「どこ行ってたんだ?(花井)」と声をかけてくれる。帰ってくる途中で三星学園のユニフォームを着た長身の関西弁の男とすれ違う。三橋の知らない選手だと知った阿部は三星は関西からスゴイ選手を引っぱってきたのかと心配し、篠岡からメンバー表を受け取り相手選手について三橋の知らないヤツが何人いるか確認する。ここでノック中の叶が三橋を呼び、フォークを披露する。田島はチキッと集中して叶のフォークをしっかり見る。叶のフォークを見せられて青ざめてふらつく三橋に阿部は「大丈夫!」と声をかける。そして田島に向かって「お前なら今のフォーク打てるだろ!?」と問う。
田島「オレはどんな球でも打つよ!一試合やって打てなかった球ないもんね!」
花井はそのセリフを聞いて『やべー田島がカッコイイ〜』と感激している。
モモカン「頼むわよ、田島君。今日は大事な試合なの。」
田島「大事って?」
モモカン「この試合に勝ってはじめて三橋君がホントにうちの仲間になるのよ!」
自分の名前を出されてギョクッとなる三橋。
モモカン「みんな三橋君が欲しい!?」
阿部「欲しい!!」
三橋の肩に手を置いて、顔を赤らめながら答える阿部。
三橋「!!!」 顔を赤らめる三橋。
あ〜いいわァ〜!このシーン大好き。阿部が頬を赤らめてるところがいいし、他のメンバーが面食らってる中で阿部だけ間髪入れずに「欲しい!!」って答えるところがいい。
モモカン「エースが欲しい!?」
水谷・泉・花井・栄口「ほっ欲しい!!」
モモカン「おしっ勝ってエース手に入れるぞ!!」
西浦メンバー全員「おお」 ※たぶん三橋以外
ここで顔を赤くしている阿部隆也に胸がトキメキます。普段仏頂面の男が見せる赤面っていいよね!
<第2回終了>