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おおきく振りかぶって 原作漫画感想 2巻 <第4回


<第4回 / あらすじと感想

【3回表、西浦高校の攻撃】

1番:栄口(順位4位)、2番:沖(順位6位)、3番:阿部(順位7位)、4番:田島(順位1位)、5番:花井(順位2位)、6番:巣山(順位3位)、7番:泉(順位5位)、8番:水谷(順位8位)、9番:三橋(順位10位)

ファースト織田は叶のセリフを思い出している。
>叶「オレを三橋に勝たしてくれ」
織田『さっきはびっくりしたで。イキナリテンション上がるんやもん。』
ここで織田、「いやまでよ」とふいに気が付く。昨日叶が風呂で鼻歌を歌ってたこと。風呂出てからまた走りにいってたこと。試合前にわざわざフォークを三橋(と他の西浦メン)に見せてやったこと。
織田『さっきイキナリやない。叶はずっとテンパってたんや!理由はわからんが叶は三橋に負けとると思っててそのことにえらいこだわっとる。その三橋と投げ合う機会は多分もうない。叶は今日勝たなアカンのや!』
西浦には西浦の今日絶対に勝たなきゃいけない理由(三橋をホントの仲間にする)があるのですが、どうやら三星側の叶は叶で今日どうしても勝ちたい理由があることが発覚しました。どちらも譲れない戦いというわけですが…譲らねえぞ!三橋が中学時代に負った心の傷の深さに比べたら叶君の理由は浅いな〜と私は思ってしまいます。今日は西浦に絶対勝ってもらって、三橋にトラウマを克服する一歩を踏み出してもらわなアカンのです!!

8番:レフト水谷と9番ピッチャー三橋も凡退で終わったようで二死。アウトになってベンチに戻ってきた三橋はムッフッフーン♪となんだか浮かれています。そんな三橋に阿部は容赦なく「三振しといて浮かれてんじゃねえぞ!マウンドでは投げてりゃいいけど、打席立ったら打者やれよ!」と一喝。青ざめながらコクコクっと頷く三橋。
ここで1番セカンド栄口が凡退で三死で攻守交代。

【3回裏、三星学園の攻撃】
阿部「叶君の球なんか打てません、とか思ってねーだろうな」と核心を吐く一言をいう。キョドる三橋。
阿部『叶はある意味三橋のあこがれの投手だから叶の力が健在で嬉しいのはわかる。』
7番バッターはいつの間にかアウトになった様子。
8番バッターはファーストゴロで沖が捕って塁を踏んでアウト。二死。
阿部『――けどそれだけか!?』
阿部君は叶と三橋が実は幼少の頃から交流のある幼馴染だということを知らないんですよね。というか読者もいつそれを知らされたんだっけ?
ここで9番ピッチャー叶の打席がやってくる。三橋は打者が叶君でどきどきしてる。
1球目は様子を見るために外へまっすぐを外す三橋。ボール球なのに手を出す叶。ファールになる。阿部は叶のバッティングをみて『打撃は大雑把なのか?』と一瞬考えたが、叶が打席に入り直す際に始めに打席に入った時とまったく同じ動作をしてみせたことから『これはこいつのジンクスだ!』と見抜き、『こんな奴が大雑把だとは思えねェ』と考え直す。さらに叶の視線が三橋から外れないのをみて、叶が三橋に対して真剣に勝負に挑んでいること、ボール球に手を出したのは力んでいるからだと見抜く。
ほ、捕手ってそんなところまで観察するの!?スッゲエー!いやこれは阿部君の観察眼と頭脳明晰さがあってからこそできる技なのかな?モモカンは西浦のナンバー2は花井だって言ってるけど、阿部のこういうところ見せられちゃうと花井よりも阿部のほうが上なんじゃ…?と思ったりする、実は。花井のファンの皆さん、ごめんなさい。
2球目は同じコースにシュート。三橋は『外にシュートをいれたら真ん中に入っていっちゃうのにいいのかな』と疑問に思うも『阿部君には考えがあるんだ!』と従う。打者叶は全く同じコースに球がきたことで次はファールしないようにと外に足を踏み込んでミートさせようとするが今回の球種ははまっすぐではなくシュートだったため球が内側に曲がって当て損ねる。サード前ゴロを田島が捕球して一塁へ送球。叶はヘッドスライディングをするが間に合わずアウト。これで三死で攻守交代。
ヘッスラした叶を気にかける三橋。畠は叶の身体を気遣って「練習試合でヘッドスライディングすんなよ。怪我したらバカらしいぜ!」を声をかける。しかし叶は三橋のチームとの対戦で力入ってる叶はこれに反発。
叶「バカらしい?こっちはまだノーヒットなんだぞ。お前こそもっとマジメにやれよ…!」
畠「…なに!?」
ここでファーストの守備を担当してる織田が二人の仲裁に入って一旦その場は収まる。その様子を見てた三橋は「今…なんかもめた?」と心配そうに様子を見てる。

【4回表、西浦高校の攻撃】
2番ファースト沖
1球目が外れてボールになる。目ざといモモカンはこの変化を見逃さない。モモカン『さっきのスライディングが効いてる!ここだ!』と沖に"待て"の指示を出す。2球目も3球目もボール。織田は『あーあテンション上げすぎるからやあ。ちょっとガス抜きせな』と叶の様子を気遣ってる。結局4球連続ボールで沖はフォアボールで出塁。無死一塁。
3番キャッチャー阿部は送りバント成功。一死二塁。
ここにきて期待の4番サード田島の打席。先ほどフォークを打てた田島はもうフォークはいいやと今回はストレート狙い。野球センス抜群の田島様は守備の空いてるピッチャー横を目ざとく見つけてそこに向かって球を引っ張る。2塁ランナー沖がホームに帰って西浦に先取点1点目!なお一死二塁。その様子を見てる三橋。
阿部「オイ叶に同情してねえだろうな」と青ざめながら問う。
三橋ギクッとして「しっしてないっ ちょっとしかっ」
ちょっとでも叶に同情してるという三橋のセリフに青ざめる阿部「……こいつ」
5番ライト花井の打席、1球目からフォークを披露する叶。空振りする花井。しかしキャッチャーが球をこぼして後逸。三塁への盗塁を成功させる田島。ランナーサード&今の後逸でもうフォークはないと読んだ花井はストレートに狙いを定めて振りぬく。球は上がってしまったが、サードランナー田島がホームに帰るには充分な飛距離。田島がホームに帰って西浦に2点目が決まる。二死ランナーなし。
続けて2点を先制されて顔色が変わる叶。その様子を見逃さないモモカン。
6番ショート巣山に対しても4球連続ボール球でまたフォアボールで巣山が出塁。そんな叶の様子を見て、自分のことのようにドキッとしながら動揺してる三橋。

ここで三星がタイムをとる。
叶に対して吉が「落ち着けよ、2点くらいすぐ返してやるって!相手はあの三橋なんだぜ!」という。ここでブチ切れる叶「いーかげんにしろよ。何度も言ってんだろ。三橋はいいピッチャーなんだよ。オレたちゃ今あいつにパーフェクトでやられてんだぞ」
そーだそーだ!まだ4回表とはいえ、この状況でまだ三橋のこと舐めていられる脳みそ、お花畑すぎるぞ。
宮川「だって」
叶「お前ら誰もマジメに聞かねえし三橋ですらオレがいい人だから庇ってると思ってたみてーだけど、オレは事実をいってただけなんだよ」
吉「だって中学で全然勝てな――……」
叶「勝てなかったのはお前らのせいだろ」
畠「!」
叶「お前らオレが言っても言っても三橋はヒイキだっつってあげくに試合で手ェ抜くようになったじゃねェか。あの状況じゃ勝てる方が不思議だよ!」
いいぞいいぞ叶!その通りだ、言ってやれ言ってやれ!
畠「手ェ抜いたのは最後の方だけだろっ」
叶「今日三橋が力発揮してんのは捕手の力が大きいんじゃねえのか?畠!」
畠「!!」
叶「お前が三橋をバカにしないでちゃんと使ってればあいつは中学でも今日みたいな投球できたんだよ!お前は正捕手のくせにずっと三橋を潰してたんだ。オレたちが負けてた原因はホントはお前にあんじゃねえのか!」
私も激しく同意です。中学の頃と三橋が変わったことといえば全力投球の速い球を覚えたくらいですからね。それがなかった中学時代でもちゃんと配給考えて試合に挑めば三橋も今と同じくらいやれたはずです。三橋の9分割のコントロールと3種の変化球を正しく評価せずにダメピだと決めつけて配給考えるのを放棄した畠の罪はデカいと思うよ。
吉「それはっあんまりだ!畠は叶のために悪役やってたのに!」
そもそも"悪役"をやること自体が間違ってるんだよ。畠は叶に投手やらせるのが"正義"だと考えて、"正義"の実現のために三橋をイジメたんだろうけど、自分が正義を実現させる役だと思ってるヤツほど質の悪いもんはねえ。
宮川「そうだよ三橋はヒイキされてたよ!」
練習試合も全て三橋が投手やってたっていう話を聞くに確かにヒイキはあったんだろうけど、それにしても9分割のコントロールと3種の変化球をもつ三橋をダメピ扱いはないわ〜。
叶「違う!実力があったんだ!」
吉「それ言ってんのは叶だけだろ!!」
叶以外のやつは叶へのヒイキ思想に染まってしまってにまともな思考能力持ってないだけだろ。
ここで織田が吉、叶、宮川の頭を順番に「お」「ち」「つけ!」と叩く。織田曰く「ヒイキがなかったとは思えない。けどそれでも三橋にもなんかあるのは認めよう。そうせんと今の状況説明がつかない」
織田は第三者だからなのか客観的に状況を見れてますね。
織田「それから叶、言い過ぎや」と畠を指さす。
私は畠が大嫌いなのでザマ―ミロっ!と思っちゃうし、ていうか叶の言ってることの大部分は正しいだろ!とも思うけど正しいことなら何でも言っていいわけじゃない、というか勝つためにはチームの雰囲気は良い状態であらねばならないわけでまあここは叶が謝らなきゃいけない場面よね。
叶「…ゴメン」
畠「…イヤ」
叶「畠がオレのために動いてたのはわかってる」
畠「いーよもう」
叶「聞けよ!昔の話をしたいんじゃねェんだよ。お前らが三橋を舐めてる限り今日勝てねえって言ってんだ!オレが三橋より上だって言うならオレを勝たしてくれよ!あいつを舐めるのをやめて真剣にやってくれよ!
三星は西浦の敵だし、私は叶のこともあまりよく思ってないけど、ここのセリフはカッコいいよな。ここで三星メンバーの士気がぐんと上がるのが痺れる〜!
畠「お前は三橋より上だ!今日勝てばそういうことになるんだな!」
叶「! ああ!」
畠「必ず逆転してやる。だから安心して投げろ!」
叶「お おお!」
気合入れて円陣を組む三星メンバー。その様子を恍惚とした表情で見つめる三橋。阿部は『三橋は円陣に加わりたいんだ、やっぱり三橋は元のチームに戻りたいんだ』と気付く。
阿部『ホントはケンカしちゃったやつらと仲直りしてもう一度一緒に野球をやりたいんだ!そうしたい気持ちはわかる!こいつにとってはそれが最高だろうって思うもん!だけどオレだっていい投手が欲しい!大バクチで入った無名の公立校でこんな投手見つけたんだ。絶対手放したくない!それに勝つためには三橋だってオレと組んだ方がいいはずなんだ!』
ああー!いいっ!阿部が三橋をいい投手だと心から認めていて、三橋を絶対手放したくないって思ってくれているのが最高にいい!それに畠の頭脳では9分割のコントロールと3種の変化球がある三橋を使いこなせないですしね。
7番センター泉は凡退。三死で攻守交代。

【4回裏、三星学園の攻撃】
出陣しようとする阿部を呼び止めるモモカン。阿部のレガースを付けなおしながら「三橋君を頼むよ!」と声をかける。その言葉を聞いた阿部は三星のベンチに気を取られている三橋を見ながら『そうだ、三橋は西浦に必要なんだ。この試合であいつにオレを認めさせてやる。元チームメイト達よりもオレを選ばせてやるぜ!!』と決意する。

<第4回終了>