おおきく振りかぶって 創作 <1384>
※注意:コミックス27巻のネタがあります※
※注意:若干BL要素あり?アベミハっぽいかも※
秋の中間テスト期間3日目の朝、部活ができないけど身体を動かしたい三橋は昨日に引き続きランニングで登校したため、朝からヘトヘトで机で寝ている。そこにやってきた阿部。
阿部「レン」
ビクッと起き上がる三橋。
阿部「また走ってきたのか。お前。今日はオレのチャリ乗って帰れよ」
三橋「えっなんでっ」
阿部「なんでじゃねーよ。昨日寝こけたじゃねーか。」
三橋「今日もっ」
また勉強会するのかと問いたい三橋。
阿部「自分で(勉強)やれんならいーけど」
三橋「ムリだ」
阿部「昼はいつも通りな そいじゃ」
三橋「うん」
授業が終わって放課後、三橋はアップを兼ねてランニングしながら田島の家に向かう。今日田島家での自主練に参加するメンバーは田島・三橋・阿部・栄口の4人だ。17:30まで田島家で練習をした4人はその後、裏グラに戻ってロープ引きをした。そして、それが終わったら一旦解散して各自、家で食事をしてから三橋の家に再集合して勉強会をすることになっている。
阿部「朝も言ったけど、お前はオレのチャリに乗って帰れよ。勉強会のための体力温存だ。」
ロープ引きが終わって裏グラから引きあげる途中、阿部が三橋に話しかける。
三橋「う…っと、阿部君は…?」
阿部「オレは今日は一旦電車で帰るよ。」
三橋「大変…じゃ、ない?」
西浦高校から最寄り駅までは徒歩20分だ。三橋は『オレが阿部君の自転車借りたら阿部君が体力消耗しちゃわないか?』と心配している。
阿部「投球練習じゃ捕手は投手ほど疲れねーよ。今疲れてんのはオメーの方だろ。それに成績がやばいのもオメーだ。オメーに一番勉強頑張ってもらわなきゃなんねーんだから、遠慮しないで乗って帰れ。オレは自分ん家からは弟の自転車借りてオメーん家いくから。わかったか?」
三橋「うっ、うん!」
阿部「オレの自転車、コレな」
三橋「うんっ」
阿部の自転車に近づき乗ろうとする三橋。そこで自転車にダイヤルロック式のチェーンキーが取り付けられていることに気付く。
三橋「あ、あ、阿部君」
阿部「あ?何」
三橋「こ、これ、自転車、チ、チェーン…」
阿部「あー暗証番号教えとくわ、"1384"な」
三橋「う、あ、待って…メモ、する…忘れないように」
阿部「メモ取る必要ねーぞ」
三橋「?…でも…オレ、忘れちゃ…」
阿部「"1番、三橋(384)"って覚えとけ。これなら忘れないだろ。」
一瞬ポカーンとした表情を浮かべる三橋。暗証番号の意味を理解して次第に顔が赤くなる。
三橋「あ、阿部君、暗唱番号、オレの名前…と背番号…?」
三橋があまりに顔を真っ赤にして照れるのでなんだか阿部まで恥ずかしくなってきてしまう。
阿部「そーだよ。…んだよ、ワリィぃかよ。これなら絶対忘れないって思ったんだよ。」
頬を赤く染めて若干バツが悪そうな阿部。ここでそばで二人の会話を聞いていた田島が会話に割り込む。
田島「えー!タカヤ、暗証番号、三橋(384)にしてんのー!?うわ、おまえレンのこと大好きかよ!超ウケるー!」
ゲラゲラ笑う田島。栄口はその隣で顔を赤くして「なんか聞いてるこっちが恥ずかしいんだけど」と悶えてる。
田島「明日みんなに言っちゃおー!」
阿部「テメ、人のカギの暗証番号を言いふらすんじゃねえ」
田島「しゃーねーな!1番っていうのは隠しといてやるからさ。下三桁の384だけならいいだろ〜」
阿部「良くねーよ!!」
田島「えーでもこんな面白い話オレ黙ってられねェよォ〜」
阿部「ふざけんなよテメー」
田島と阿部が取っ組み合いを始める。
三橋は"1384"でロックが外れたチェーンを見てフヘッと笑う。
三橋『阿部君は、オレが1番だと思ってくれてる…』
チェーンキーをぎゅっと握りしめてビビビビと震える三橋。
三橋『オレはもっともっとがんばろう…!これからも、ずっと、1番をもらえるように…!阿部君のチェーンキーの番号が、ずっと、"1384 "であるように!』
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